1992 Fiscal Year Annual Research Report
経済情報の疎通のためのシステム構築と同システム・サービスの供給体制の経済学的研究
Project/Area Number |
04451103
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鬼木 甫 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (40107107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 吉男 中京大学, 経済学部, 教授 (70080223)
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Keywords | 経済情報 / 取引情報 / 市場情報 / 経済情報システム / EDI / 不均衡 / 景気変動 / 情報産業 |
Research Abstract |
本研究は、経済情報の疎通によって個別経済主体間の協業・調整を高度化するためのシステムの構築と、同システムが供給するサービスの経済学的意義・政策含意の検討を目的とする。具体的には、最近における企業間取引の急速な「情報化」(EDIの普及)に着目し、電子的にサンプリングされた企業間取引情報に基づいて構築される「経済情報システム(仮称)」について考察する。新しい情報技術を利用する同システムが公的資金によって広く利用可能になれば、国全体の経済活動の格段の効率化が実現できるものと期待される。 (1)「経済情報システム」の意義・効果および「経済情報産業」組織に関する研究成果のサーベイ--情報経済学あるいは不確実性の経済学のうち、本研究の課題である情報環境改良の影響の考察を含むもの、およびサービス産業の組織論のうち情報サービス供給に関するものをサーベイした。 (2)「経済情報システム」を含む理論モデルを作成し、同システムの導入・実現によってもたらされる便益のモデル分析をおこない、経済システム産業における競争・独占・規制の問題を分析した。ただし、簡単化を図るため、1産業のみを考え、同産業内の複数の個別主体が、他主体による経営計画を知ることができない場合と相当程度知ることができる場合を含む少数個のケースを考えた。 (3)「経済情報システム」のデータ・ソースとしてのEDIを調査した。調査項目として、(a)EDIによって伝達される情報内容の細目、(b)企業間取引情報全体中に占めるEDIのウェイト、(c)電子的サンプリングによる「取引情報の公的収取・利用」の可能性、(d)既存の統計調査におけるデータ収集方法と比較した上でのEDIからの電子的標本採集の可能性、などを選んだ。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Oniki, Hajime: "On the Cost of Deintegrating Information Networks" The Economics of Information Networks (North-Holland Publishing Co., Amsterdam). 397-410 (1992)
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[Publications] Oniki, Hajime: "Productivity Comparison of Public and Private Networks" Paper presented the Columbia University CITI Conference on Public and Private Networks, New York (U.S.A) (May 15, 1992). 25PP. (19)
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[Publications] 鬼木 甫: "「経済分析と人工知能・エキスパートシステム」" 『現代経済学とその応用(木村吉男教授還暦記念論文集)』第18章(中央経済社). 198-214 (1992)
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[Publications] Oniki, Hajime Kuriyama, Tadashi: "Contribution of New Information Technology to the Growth of the Japanese Economy for 1974-85--An Application of Input-Output Model and Productivity Analysis: PartI" Journal of Applied Input-Output Analysis. 1(1). 24-42 (1992)
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[Publications] 鬼木 甫: "「民営化でNTTの生産性は上昇したかーーNTTの総生産性分析」" 『日本の電気通信ーー競争と規制の経済学』奥野・鈴村・南部(編)(日本経済新聞社). 169-196 (1993)