1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04451118
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Research Institution | KYOTO PREFECTURAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
広原 盛明 京都府立大学, 学長 (90046475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広嶋 清志 厚生省人口問題研究所, 人口政策部長
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Keywords | 出生率 / 予定子ども数 / 理想子ども数 / 保育所 / 幼稚園 / ライフコース / ライフスタイル / 子育て費用 |
Research Abstract |
1.我が国の大都市を代表する東京都内と京都市内の計26ケ所の保育所・幼稚園の保護者夫婦を対象として、「子育て環境のアンケート調査」(夫婦各1票)を実施した。調査対象夫婦や東京都内1568組(保育所702組、幼稚園866組)、京都市内1030組(保育所356組、幼稚園674組)であり、夫票・妻票がそろった有効回収率は、東京都内70.5%(保育所58.3%、幼稚園80.4%)、京都市内70.3%(保育所60.7%、幼稚園75.4%)である。 2.調査の特色は、【.encircled1.】夫婦の結婚時から現在に至るまでの出産キャリア調査を居住条件、就業条件、親との同居関係等と関連づけて調査したこと、【.encircled2.】結婚観、家族観、子ども観、性別役割分業意識、ライフコースなどに関する意識調査を夫・妻各自について行ったこと、【.encircled3.】以上の基本属性と個人意識とを媒介にして、女性の出生行動の特性とりわけ「予定子ども数」(将来完結子ども数)との関連を分析したことである。 3.調査結果の概要は、【.encircled1.】両地域とも妻が有業主婦である保育所、専業主婦である幼稚園の保護者間で性別役割分業意識に基づくライフコースに大きな違いがある、【.encircled2.】現在子ども数の平均は、東京都内で保育所2.04人、幼稚園2.14人、京都市内で保育所1.95人、幼稚園2.09人で幼稚園の方がやや多いが、予定子ども数の平均は両地域及び両施設ともに2.34人と変わらない。これはライフコースの違いが子ども数にではなく出産期間の延長という形で現れることを示している、【.encircled3.】両地域とも子ども数を決める最大要因は夫婦とりわけ妻のライフスタイルの選択如何であり、所得と住宅は第2要因である、【.encircled4.】「子ども1人でよい」とする全体の約15%の夫婦は、両地域ともその根拠を主として自分たちのライフスタイルの選択との関連で考えている、【.encircled5.】残りの「2人以上の子どもを持ちたい」と考える大多数の夫婦は、教育費・子育て費用と居住環境条件の確保を実現のための2大条件として重視しており、とりわけ東京都内においてその切実感が高いなどである。
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