1993 Fiscal Year Annual Research Report
優れた体育授業を実現するための指導法に関する実証的研究
Project/Area Number |
04451128
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Research Institution | University of TSUKUBA |
Principal Investigator |
高橋 健夫 筑波大学, 体育科学系, 教授 (60029725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡澤 祥訓 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (40110978)
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Keywords | 優れた体育授業 / 体育指導法 / 指導スタイル / 子どもによる授業評価 / 組織的観察法 / 授業研究 / 教師行動 / 生徒行動 |
Research Abstract |
○昨年度に作成した子どもによる「形成的授業評価法」をもとに、より多くの児童と授業を対象に追試的調査を行い、簡便かつ有効な評価票と評価基準を完成した。評価は4次元9項目でおこなわれる。この論文は、体育学研究に投稿中である。 ○この評価法を用いて、どのような指導法(スタイル)が子どもの評価を高めやすいのかを調査・分析した。関東地区と奈良県の294の小学校を対象に調査を実施した。その結果、形成的評価を高めるには伝統的な教師中心の一斉指導は問題が多く、周到な準備と教師の導きのある児童中心の学習(課題選択・問題解決型の授業)の方が望ましいことがわかった。体育学研究に投稿する予定でいる。 ○授業場面での望ましい教師指導行動のあり方を明らかにするために、3回にわたって実験授業を行った。その結果、授業場面での個々人の児童の運動学習に対する積極的なフィードバック行動は授業評価にプラスに作用することがわかった。これは今日提唱されている「自主的学習の理論」と異なった結果である。 ○指導資料(文部省)に示された学習過程のモデルのもつ問題点を克服するために、このモデルに修正を加え、実験授業によってその有効性を検討した。その結果、安定した成果が得られた。教師の指導性と生徒の主体的な学習とのバランスを図っていく必要がある。これらについては、既にいくつかの体育雑誌で報告した。また、単行本(体育の授業を創る:大修館書店)にまとめた。 ○研究の結果を報告書にまとめた。報告書は1章「体育指導スタイルの理論的研究」、2章「体育授業方法改善のための実証的研究」、3章「体育授業研究の方法に関する研究」で構成し、本研究で行った結果を15篇の論文にまとめた。
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[Publications] 高橋健夫: "体育授業研究の方法に関する論議" スポーツ教育学研究. 特別号. 19-31 (1992)
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[Publications] 大友 智、高橋健夫他: "生徒の体育授業に対する愛好的態度が集団スポーツの学習行動に及ぼす影響" スポーツ教育学研究. 13-1. 25-34 (1993)
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[Publications] 高橋健夫、刈谷三郎: "個人種目における評価の考え方-形成的評価法の作成の試み" 学校体育. 46-10. 21-23 (1993)
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[Publications] 高橋健夫: "学習過程を重視する授業評価" 体育科教育. 40-4. 22-24 (1992)
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[Publications] 高橋健夫: "よい体育授業の構造" 体育科教育. 40-5. 18-21 (1992)
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[Publications] Takeo TAKAHASHI: "School Physical Education as Preparation for Lifelong Sport in Japan" International Committee of Sport Peadagogy Newspaper. No.20. 2-8 (1993)
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[Publications] 高橋健夫(編著): "器械運動の授業づくり" 大修館書店, 280 (1992)
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[Publications] 高橋健夫(編著): "体育の授業を創る" 大修館書店, 290 (1994)