1992 Fiscal Year Annual Research Report
音声速度変換処理システム(s処理)の英語教育への適用可能性の研究
Project/Area Number |
04451142
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中西 達也 山形大学, 教養部, 助教授 (10217771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 良二 松下電器, 音響研究所, 主事
冨田 かおる 山形大学, 教養部, 助教授 (00227620)
中山 和男 山形大学, 教養部, 助教授 (10180431)
山口 常夫 山形大学, 教養部, 助教授 (80146745)
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Keywords | 音声速度変換 / 発話速度 / ディクテーション / 再認 / リスニング教育 / 呈示速度 / 聴解訓練 |
Research Abstract |
音声時間軸制御の工学的技術を基に開発された音声速度変換処理システム(以下s処理)の外国語教育への適用可能性を実験による検証を通して考察していくことが本研究の目的である。以下に,実験結果から導き出された新たな知見を示す。 (1)s処理による速度比100%刺激に比べ,速度比70%刺激ではディクテーションでの正答率に上昇傾向が見られた。これは歪みが多く生じる従来の簡便な速度変換方法では見られなかった傾向である。 (2)s処理による速度比100%刺激に比べ,速度比70%刺激ではディクテーションでの未答率に減少傾向が見られた。未答には複雑な要素が含まれているので,「未答の減少が,困難度の減少を意味する」といった単一次元の問題としてだけで解決できる問題ではなく,音声習得に関わる基礎的要因である音知覚の度合いの上昇を意味している可能性がある。 (3)s処理による速度比70%刺激のディクテーションでの正答率の上昇は,S-P表のS曲線が乖離する得点度数から導き出された上位グループ,下位グループのうち,特に下位グループの正答率の上昇によるものである。このことから,s処理による速度比70%刺激は,上位グループには得点上影響を与えず,英語をあまりよく聴き取れない者にとり,その聴解の度合いを上昇させることができる。次に,研究目的として上げた速度比以外の要因との関わりについての研究経過及び今後の計画としては(1)難解な音声現象(音連続における変化)との関わり(2)聴解訓練負荷(呈示速度)の増減について(3)ポーズ分布(長さ,頻度,位置,機能)との関わり(4)記憶保持について更に解明することである。また,s処理を施して得られた速度比の違いを変数とし,再認の度合いに与える影響をディクテーションの正答率,S-P表分析から解明することである。
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