1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 光昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (70022580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢 武文 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90111864)
花輪 知幸 名古屋大学, 理学部, 助手 (50172953)
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Keywords | 球状星団 / 銀河 / 重力不安定性 / 2重球状星団 / 星団形成 / 回転 |
Research Abstract |
本研究の目的は以下の事柄を明らかにすることであった.50Kms^<-1>以上の乱流状態にある大質量のガスがあれば、球状星団はいつどこでも形成される「生きている化石天体」である。従って球状星団の年齢・質量分布から、それが属している銀河が経てきた力学的進化を知ることができる。本年度の主な実績は次の3点である。 (1)原始銀河の中ではガス雲が頻繁に衝突し多くの高密度ガス層が形成される。急速に冷却が起こり、高密度ガス層は重力不安定になり、重力的に束縛された星の集団-球状星団-が形成される。この説を採ると、球状星団の総数はその銀河の質量にほぼ比例するというこれまでの観測が説明できる。また過去にガスが激しく運動していた証拠のある銀河では、普通の同じ質量の銀河と比べて多数の球状星団が存在することも説明できる。 (2)ふつう雲はoff-center collision(斜め衝突)するために、衝突面にできる高密度ガス層は回転し、内部に速度シアーをもつ。この高密度ガス層の重力不安定性を追跡するため、コリオリ力と速度シアーを考慮した線形安定性解析法を開発し、高密度ガス層は球状星団と同程度の質量の自転するガス塊に分裂することを示した。自転するガス塊は収縮・分裂を繰り返し、偏平な球状星団や2重球状星団となることが予想される。 (3)大小マゼラン雲は球状星団が現在も形成されている銀河の中で最も我々に近く、定量的に研究しやすい銀河である。本研究では、大小マゼラン雲とそこからたなびくマゼラン雲の形状と速度分布を再現する力学模型を数値的に構築し、大小マゼラン雲の過去100億年間の力学進化を求めた。その結果、大小マゼラン雲は近接遭遇を繰り返すことによって相互のガスを潮汐力でゆさぶり、球状星団が形成されるために必要な激しいガスの運動を維持していることが確かめられた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Okazaki: "The Distribution of Hot Gas and Iron in the Virgo Cluster" Publications of Astronomical Society of Japan. 45. 669-686 (1993)
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[Publications] Fumitaka Nakamura: "Fragmentation of Filamentary Molecular Clouds with Longitudinal and Helical Magnetic Fields" Publications of the Astronomical Society of Japan. 45. 551-566 (1993)
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[Publications] Lance T.Gardiner: "Numerical Simulation of the Magellanic Stream.I" Monthly Notices of Royal astronomical Society. 266. 567-582 (1994)
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[Publications] Yasuki Kumai: "Formation of Globular Clusters and Galactic Environments" Astrophysical Journal. 416. 576-581 (1994)
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[Publications] Tomoyuki Hanawa: "Sequential Star Formation in Taurus Molecular Cloud 1" Astrophysical Journal. 420. 318-325 (1994)
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[Publications] Tomoaki Matsumoto: "Fragmentation of a Magnetized Filamentary Molecular Cloud Rotating around the Axis" Publications of the Astronomical Society of Japan. 46(発表予定). (1994)
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[Publications] Koji Nobuta: "Instability of an Accretion Flow with a Shock Wave" Publications of the Astronomical Society of Japan. 46(発表予定). (1994)