1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 公一郎 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (60198439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 修 高エネルギー物理学研究所, 助手 (30178636)
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Keywords | 高エネルギーニュートリノ / 上向きミューオン |
Research Abstract |
天体からの高エネルギーニュートリノ観測用測定器の実現可能性テスト用プロトタイプである1000m^2の測定器を使ったデータ収集を本年度前半に終了した。本年度後半でそのデータ解析を行った。 (1)トリガーレイト ニュートリノのシグナルは、測定器地下での反応によって生成されるミューオンを測定する事によって行なわれる。その確率は上空より入射する宇宙線の約10^<-10>と期待される。そのため、トリガーとして30nsecの巾で、水面下約10mに下向きに設置された4本以上の光電子増倍管がシグナルを受ける事を要請した。その結果、この簡単なロジックでも4Hzという充分データ収集可能なレイトである事が分った。このレイトは約200KHzで測定器に入射する宇宙線の2×10^<-5>であり、実際の測定なしでは不確な数値である。 (2)バックグラウンドの組成 言うまでもなく上記の事象は、バックグラウンドである。その組成を調べる為1層目に上向きに設置された光電子増倍管中のシグナルを調べた。結果約1/2は多量のシグナルを1層目に与えており、エアーシャワー又はミューオンの深非弾性散乱と考えられる。残りの1/2は1層目にシグナルが無く、測定器側面より入射した天頂角の大きなミューオンと考えられる。 (3)解析によるバックグラウンドの排除能力 上空からのミューオンと上向きミューオンは、チェレンコフ光の光電子増倍管に到達する時間とその分布に違いがある。これらの分布を、ミューオンの方向から期待される分布にもとずく最小自乗法でフィットする事により、得られたイベントを10^5で排除する事が示された。これは期待されるニュートリノによるミューオンと同程度である。又シグナルの候補も同定された。現在、小口径の光電子増倍管を購入し、大口径のものを使用する代りになるかテストを初めた。
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