1993 Fiscal Year Annual Research Report
2次元超イオン導電体の伝導面の不規則性とフラクタル構造の研究
Project/Area Number |
04452032
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
服部 武志 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (20029234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯上 浩雄 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (60192803)
石亀 希男 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (40006143)
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Keywords | 超イオン導電体 / 2次元伝導面 / β-アルミナ / 不規則性 / フラクタル / Cr^<3+>イオン / 発光 / 時間分解分光 |
Research Abstract |
前年度組み上だ時間分解蛍光測定系を用い、2種類の伝導イオンを含むβ-アルミナ中の不純物Crイオンからの発光の測定を低温で引き続き行い、以下の成果を得た。用いた試料はNa_<1-X>Ag_X('Na/Ag)、Na_<1-X>Li_X(Na/Li)、Na_<1-X>K_X(Na/K)、Na_<1-X>T1_X(Na/T1)β-アルミナである。 1.全ての試料の発光の減衰曲線は指数関数で記述できず、拡張指数関数を使って表せた。この際、1つの試料の全ての発光バンドの減衰曲線は、1組のパラメーター(2つの寿命と拡張指数関数を特長付ける1つのべき数α)で記述できた。即ち、β-アルミナ中のCrイオンの発光には2成分有り、両者とも濃度xで決まる構造の伝導面から摂動を受けた発光と解釈できた。 2.αの値は、混合陽イオン効果を示すNa/KやNa/T1では濃度xに依存していて、伝導度最小濃度で最小値(0.68)を取った。この値はパーコレーション理論から期待される値で、伝導度最小濃度xでは、伝導面の構造がパーコレーション理論で期待できるイオン配置(恐らくフラクタル構造)を取るものと考えられる。一方、混合陽イオン効果を示さない、Na/T1では濃度依存性を示さず、Na、K、T1β-アルミナと同じ値(0.83)であった。更に、Liを含む試料では全て同じ0.72という値で、Naβ-アルミナより小さい値を示した。これは、小さいイオン半径のLiイオンが伝導面の中心よりスピネルブロックに寄っている為と考えられる。以上から、αの値には伝導面のイオン配置が反映しているものと結論できた。 3.混合陽イオン効果を示すNa/AgやNa/Kでは、遅い発光成分の電子-格子相互作用の大きさが、伝導度最小濃度で最大になった。これは、伝導面に何らかの規則性が導入された事を示唆し、上述2の議論をサポートしている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Okamura: "Luminescence spectra of Cr^<3+> ions in Na_<1-X>K_X and Na_<1-X>Ag_X β-alumina crystals" Solid State Ionics. 58. 77-84 (1992)
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[Publications] 河原田 至: "Ag_<1-X>Na_Xβ-アルミナの準弾性光散乱" 東北大学科学計測研究所報告. 41. 53-66 (1992)
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[Publications] H.Yugami: "Fundamental physics and promising applications of superionic conductors" Japanese Journal of Applied Physics,Part 1. 32. 853-859 (1993)
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[Publications] T.Hattori: "Vacuum-ultraviolet reflectance in beta-aluminas" Activity Report of Synchrotoron Radiation Laboratory,1992,ISSP,University of Tokyo,1992. 22-23 (1993)
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[Publications] H.Yugami: "Fluorescence line narrowing spectroscopy of Eu^<3+> in superionic conductor,β"-alumina" Journal of Luminescence. 55. 277-285 (1993)
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[Publications] S.Matsuo: "Quasielastic light scattering in superionic glasses AgI-Ag_2O-MoO_3" Physical Review. B48. 15651-15657 (1993)