1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452033
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
植 寛素 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10132979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 博隆 電子技術総合研究所, 電子基礎部, 研究員
馬淵 輝彦 筑波大学, 物理工学系, 講師 (20015754)
南 英俊 筑波大学, 物理工学系, 講師 (00190702)
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Keywords | 強誘電体 / チタン酸バリウム / 電子構造 / レーザーアブレーション |
Research Abstract |
強誘電体相転移を電子論的に調べる目的で、まずチタン酸バリウムおよびその固溶体を、レーザーアブレーション法により、薄膜の単結晶で作製している、この場合、ラマン散乱や光学測定が可能となり、また電子分光にも使用できる清浄表面を持った試料が作製できるからである。チタン酸バリウムは強誘電体相転移が変位型なのか秩序無秩序型なのか不明である一方、バンド計算がされていて、電子論的アプローチが理論的にはしやすいと考えられる。また、その固溶体相転移は、相転移の機構解明に重要な情報を与えてくれると思われる。 アルゴンとフッソの混合ガスを用いたエキシマレーザーでアブレーションを行い、(100)面のでたチタン酸ストロンチウムを基板にして基板温度620度C、酸素雰囲気でチタン酸バリウムのエピタキシャル薄膜を作製できた。4軸X線回折装置により基板面に垂直方向では成長方向の広がりは0.3度以下で、また基板表面の面内方向での成長方向のずれも極めて小さいことが解った。 作製した薄膜の誘電的性質を調べるため、誘電率の温度変化が調べられた。基板にNbをドープして電気伝導度を持たせたチタン酸ストロンチウムを用いて電極の一方として、誘電率が測定された。バルクと同じ誘電率の変化は得られていない。酸素欠損などの原因が関係しているかもしれない。 電子エネルギー損失分光法により電子構造を調べるため、既設の電子エネルギー損失分光装置の試料表面を清浄にするためのイオン銃を装着した。これにより、外部から試料を持ち込んでも表面を清浄化して測定が可能と成ると考えられる。
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