1994 Fiscal Year Annual Research Report
ドハース・ファンアルフェン効果による希土類化合物の磁気相転移の研究
Project/Area Number |
04452034
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大貫 惇睦 大阪大学, 理学部, 教授 (40118659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
摂待 力生 大阪大学, 理学部, 助手 (00251041)
杉山 清寛 大阪大学, 理学部, 助手 (00187676)
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Keywords | ドハース・ファンアルフェン効果 / 磁気相転移 / フェルミ面 / サイクロトロン質量 / 希土類化合物 / 重い電子系 |
Research Abstract |
ドハース・ファンアルフェン効果は、伝導電子(正孔)のフェルミ面の形状やサイクロトロン質量あるいは散乱の緩和時間を決定する最も有効な実験手段である。純良な希土類化合物の単結晶を育成し、磁気相転移をこのミクロな実験手段で研究した。特に以下の2つのユニークな相転移の研究を進展させた。 (1)1つは四重極モーメントによる磁気相転移であり、典型的な化合物としてPrCu_2を見出した。この物質は一重項基底状態を持つ斜方晶系の物質である。磁化の難易軸(c軸)と容易軸(a軸)が約70〜120kOeで入れかわることができる相転移である。この相転移は、四重極モーメントが本質的にからんでいるため、結晶の歪みを伴い伝導電子の散乱の緩和時間は著しく減少する。 (2)CeRu_2Si_2の基底状態のフェルミ面研究がより詳細になった。1つには前年度より良質な単結晶(残留抵抗比490)が育成されたことによる。4f電子の遍歴性はより明確になった。更にこの4f電子の遍歴性が局在に変貌する激的フェルミ面の変化を19Tの強磁場領域まで拡張した。
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[Publications] 大貫,惇睦: "希土類・ウラン化合物の純良単結晶育成" 固体物理. 29. 805-810 (1994)
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[Publications] 大貫,惇睦他: "ウラン化合物の純良単結晶育成" 固体物理. 29. 486-489 (1994)
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[Publications] Y.Onuki 他: "Change of the Fermi Surface at the Metamagnetic Transition in CeRu_2Si_2" Physica B. 199&200. 665- (1994)
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[Publications] Settai 他: "Change of the Fermi Surface at the Metamagnetic Transition in NdIn_321GC04:Physica B" 201. 102-106 (1994)
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[Publications] S.W.Yun 他: "Magnetic and Electrical Properties of UPd_3" J.phys.Soc.Jpn.63. 1518-1529 (1994)
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[Publications] Sugawara 他: "Single Crystal Growth and Electrical Properties of CeRh_2 and CeIr_2" J.phys.Soc.Jpn.63. 1502-1507 (1994)
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[Publications] 大貫,惇睦他: "重い電子系(物理学論文選集IV)" 日本物理学会, 166 (1994)
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[Publications] Y.Onuki: "Heavy Electrons in the Ce and V Compounds" World Scientific(Proc.5th Asia-Pacific Phys.Conf.), 12 (1994)