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1992 Fiscal Year Annual Research Report

p-電子系磁性体の中性子回折による研究

Research Project

Project/Area Number 04452052
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

冨吉 昇一  愛媛大学, 工学部, 助教授 (50005922)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 二木 治雄  琉球大学, 教養部, 講師 (80145549)
東 長雄  愛媛大学, 教養部, 助教授 (00093914)
矢野 忠  愛媛大学, 工学部, 教授 (50036240)
Keywords有機磁性体 / 有機反強磁性体 / 中性子回折
Research Abstract

今年度はp電子系磁性体の中性子回折に適した有機磁性体を探し出しその単結晶の育成と磁性の解明、そして中性子回折実験に必要なデータを得ることを主要な目的として研究を行ってきた。中性子回折にとっては、強磁性体より反強磁性体の方が多くの点で都合が良いので、1.7K以下の温度で反強磁性に転移する可能性があるTriphenyl-Verdazyl(TPV)について詳しい研究を行った。まず単結晶の育成であるが、色々な方法を試みた結果、再結晶法が最も有望な方法であり、これまでに最大で7mgの板状単結晶を得ることに成功した。中性子回折実験のためには100mg以上の大きい単結晶が望ましいので、現在条件を変えて良質の大きい結晶を作る試を行っている。このTPVの単結晶を用いて交流帯磁率の測定を行った結果、結晶板に垂直に磁場を加えた場合に、帯磁率は1.7Kに鋭いピークを示すが、板に平行な場合にはピークはなく、異方的な振舞を示すことが明らかになった。1.7Kの帯磁率のピークは比熱のピークに対応するもので、反強磁性への転移を示すものと思われる。
中性子回折実験は日本原子力研究所3号炉原子炉に設置されているKSD中性子回折装置を用いて行った。TPVの7mgの単結晶を用いてa^*-c^*面内で多くのブラッグ反射の測定を行った。これらの結果から磁気反射を観測するには、今回より100倍程度強度を上げる必要があることが明になったが、今後使う予定の炉壁に設置されている中性子回折装置は、今回用いたKSD装置より約50倍強度が強いと云われており100mg程度の大きい単結晶を得ることができれば、スピン構造の決定スピン密度分布の決定などが充分可能と思われる。

URL: 

Published: 1994-03-23   Modified: 2016-04-21  

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