1992 Fiscal Year Annual Research Report
プレート境界の重力異常とジオイド高の研究-プレート間に生じる歪みの累積様式の分類と地球物理学的解釈
Project/Area Number |
04452062
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 修平 東京大学, 地震研究所, 助手 (30152078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沢 工 東京大学, 地震研究所, 講師 (40012918)
村田 一郎 東京大学, 地震研究所, 教授 (20012916)
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Keywords | ジオイド / プレート / 重力異常 / 海面高 |
Research Abstract |
1.理論的な研究 プレート境界で発生する巨大地震に伴う重力ポテンシャル変化を計算し、それが海面高度変化として検出できるか否かの検討を行った。モデルには自己重力場を考慮にいれた1066Aという、球対称地球モデルを採用した。過去に実際に発生した巨大地震(1964年アラスカ地震m=9.2)を例にとって、地震前後の海面高度変化を計算すると、概ね数cm程度の変化が生じることが明かになった。興味深いことに、地震断層面上でのスリップの分布状況や、バリアーの有無などが、重力ポテンシャル変化を通じて海面高変化に反映されることが分かった。言い替えれば、地下に潜在して見えないはずのバリアーを海面高度変化が可視化していることになる。 2.実測データの解析 (1)フィリッピン海プレートとユーラシアプレートとの衝突境界である、伊豆半島北部の断層系の重力異常を解析した。とくに北伊豆断層系の断層運動が広域重力場に与える擾乱は顕著であり、プラスマイナス10ミリガルの4象限型パターンが見いだされた。これは、同断層の断層運動が水平横ずれが卓越し、累積すべり量1kmであることを考えると理論的にも説明がつく。 (2)1992年に打ち上げられたTOPEX/POSEIDON衛星の海面高度データを取得し、現在予備的な解析を進めている。次年度は断裂帯、沈み込み帯、3重会合点等プレート境界の性格を、このデータを使用してよりくわしく解明する。
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