1992 Fiscal Year Annual Research Report
地殻の温度・圧力下における岩石の流動と破壊に関する研究
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04452065
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
行竹 英雄 京都大学, 防災研究所, 助手 (90101237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 充彦 京都大学, 防災研究所, 教授 (60025369)
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Keywords | 地殻の温度・圧力 / 長時間実験 / 流動と破壊 / 地殻の強度 / 応力腐食破壊 / 破壊核の形成 / 弾性波速度 / 水の効果 |
Research Abstract |
クラックの局所的な発生によって将来の大地震が予想される震源域で、破壊核が形成され、その核の中でクラックの相互作用の進展に伴う破壊の成長モデルが、我々の今までの常温、高圧の実験データから提案されている。地殻内部における環境にできる限り近い状態下で破壊(又は断層破壊)の実態を調べるために、地殻の環境に非常に近い条件下で変形破壊実験を行うための装置の開発がなされた。10〜20kmの深さに対応する300〜500C、0.5〜1GPaの温度、圧力下で地震の発生機構の場を理解するための実験を行うために、既存の設計思想を大きく変え、今まで無い新しい装置を開発した。その装置の概略を要約すると、 1. 高温・高圧下での圧力媒体として、ここでは新しく開発されたパーフルオロポリエーテル油(フッ素オイル)を使用した。 2. 高温下で長時間の実験を行なうためには、容器全体のセラミックス化が必要である。基本的には全セラミックス化することは可能で在ったが、今回はメーカーから十分な保証を得ることができなかったので、最終的には上下の蓋の部分のみがセラミックス(窒化珪素)化され、本体は、超耐熱合金(600Cまで強度はほとんど落ちない)を使用して容器は製作された。 この装置を用いて次のようなの条件下で実験を行なうための予備テストを行った。 1.実験値を地球の歪速度まで外挿するためにの長時間の実験(1週間、1か月)のテスト。 2.試料中の含水量、孔隙水圧の効果を調べるための試料構成部品の作成とそのテスト。 3.弾性波速度、AE、変位、歪の精密を同時測定測定するための方法の開発。この結果、次年度から本格的にデータを得ることができるであろう。
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[Publications] 島田 充彦: "実験地震予知" 月刊地球. 号外No4. 168-173 (1992)
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[Publications] H.Yukutake: "Fracture Nucleation Process in Fntact Rocks" Tectonophysics. 211. 247-257 (1992)
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[Publications] M.Shimada: "Confirmation of Two Types of Fracture in Granite Deformed at Temperature to 300℃" Tectonophysics. 211. 259-268 (1992)
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[Publications] 行竹 英雄: "震源域におけるクラックの発生に伴う破壊の核形成" 地震. 45. 107-117 (1992)
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[Publications] M.Shimada: "Lithosphere Strength Infferred from the Fracture Strength of Rocks at High Confining Pressure and Temperatare" Tectonophysics. 217. 55-64 (1993)