1992 Fiscal Year Annual Research Report
全球規模大気汚染が引き起こす雲の変化と気候変化に関する研究。
Project/Area Number |
04452070
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 映至 東京大学, 気候システム研究センター, 助教授 (60124608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早坂 忠裕 東北大学, 理学部大気海洋変動観測研究センター, 助手 (40202262)
中村 晃三 東京大学, 海洋研究所, 助手 (20143547)
林 祥介 東京大学, 理学部地球惑星物理学科, 助手 (20180979)
住 明正 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (10179294)
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Keywords | 気候変動 / 大気汚染 / 雲 / エアロゾル / リモートセンシング / 大気放射 |
Research Abstract |
◇ 本年度は人工衛星の定量リモートセンシング法によって、雲の微物理量を抽出するための衛星データの収集、アルゴリズムの開発を行なった。NOAA衛星のAVHRRを想定して、2チャンネルの放射輝度データから雲の光学的厚さと粒径を同時に決めるアルゴリズムを確立した。また、数値シュミレーションによってスキームの動作確認をした。この際、海上での解析の精度をあげるためにモデルへの海洋と大気の相互作用の取り込みをおこなった。 ◇ 雲水量と雲粒の粒径に注目することによって、雲の変質事例を中国大陸周辺で発見できた。沖合いから大陸に近付くにつれて、エアロゾル量が増大すると共に、雲の光学的厚さが増大し、かつ雲粒径が減少した。この現象が大気汚染によるものか力学的要因によるものかを検討するために、現在より多くの事例の解析中である。 ◇ 数値気候モデルに雲の光学的特性を取り込み、上記のような雲の大規模な変質の影響を評価するために、放射過程に雲の微物理量の変動が効果をあらわす様な放射スキームを開発し、モデルに取り込んだ。 ◇ さらに、対流過程を含む雲モデルを向上するために基礎的研究を行なった。2次元対流問題の不安定性の検討を行なった。特に、内部冷源の存在によってセルの構造がどのように変化するかを調ベた。 ◇ ワークステーションやパーソナルコンピューターに関する環境の充実を図ることによって、購入した人工衛星データの解析やモデル計算の効率化が実現された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kaufman,Y.J. and T.Nakajima: "Effect of Amazon smoke on cloud microphysics and albedo." J.Appl.Meteor.32. (1992)
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[Publications] Nakajima,T., and M.D.King: "Asymptotic theory for optically thick layers:Application to the discrete ordinates method." Appl.Opt.31. 7669-7683 (1992)
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[Publications] Hayasaka,T.,T.Nakajima, S.Ohta,and M.Tanaka: "Optical and chemical properties of urban aerosols." J.Atmos.Environ.26A. 2055-2062 (1992)
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[Publications] Nakajima,S., Y.-Y.Hayashi, and Y.Abe: "A study on the“runaway greenhouse effect"with a one dimensional radiative convective equilibrium model." J.Atmos.Sci.49. 2256-2266 (1992)
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[Publications] Satoh,M., and Y.-Y.Hayashi: "Simple cumulus models in one dimensional radiative convective equilibrium problems." J.Atmos.Sci.49. 1202-1220 (1992)
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[Publications] Takehiro,S.-I., and Y.-Y.Hayashi: "Overreflection and shear instability in a shallow water." J.Fluid Mech.236. 259-279 (1992)