1992 Fiscal Year Annual Research Report
海洋リモートセンシングへの適用を考慮した海水の光学的特性に関する総合研究
Project/Area Number |
04452074
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大石 友彦 東海大学, 理学部, 講師 (20231730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 寛 東海大学, 海洋学部, 助手 (50235066)
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Keywords | 可視光リモートセンシング / 海洋光学 / 放射伝達 / 水中照度、輝度 / 内部反射率 / 水の光学的特性 |
Research Abstract |
可視光リモートセンシングにおいて、水中照度、輝度は衛星センサーにどれだけの海洋からの情報が到達するかを推定する上で重要である。現在、これらのパラメーターは船より測器をおろし測定するため、船自身が作る影の影響はさけがたい問題である。本年度は船影が水中の光の場にどの様な影響を与えるかを推定するため、三次元放射伝達計算プログラムの開発を行ない、その影響推定を行なった。その結果、沿岸域モデルでは船影の影響は深さとともに減少するが、水深30mほどまでは無視できないことが判明した。また、水深30mでの影の影響範囲は海面での影の幅の3〜4倍におよぶであろうことが判かった。これらの計算結果より信頼できる水中照度、輝度を測定するには、測定された値に何らかの補正をほどこす必要があり、来年度は補正のためのアルゴリズムの開発を行なう予定である。 また、海洋リモートセンシングの観点から海面での内部反射率(大気中にもどる光量に関係)の推定を行なったが、現在用いられている内部反射率(O.472)という値は、大気にもどる光量を10〜20%ほど過大評価する可能性があることが判明した。これに関し、アベレージCOSの関数として内部反射率を比較的正確に推定するアルゴリズムの開発を行なった。 来年度の研究に使用する予定の光音響法に基づく光吸収計の試作を行ない、西部太平洋赤道海域において洋上試験を行なった。その結果、本測定法は、外洋の比較的きれいな海水に対しても充分使用可能であることが判明した。しかし、実際にリモートセンシングに供するデータを取得するには、除振、感度不足の問題があることが判明した。来年度はこの結果をふまえ、本測定器を完成する予定である。
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