1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452075
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
山内 恭 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 教授 (00141995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神沢 博 国立環境研究所, 地球環境研究センター, 研究管理官
平沢 尚彦 国立極地研究所, 情報科学センター, 助手 (10270422)
和田 誠 国立極地研究所, 研究系, 助手 (40132716)
青木 周司 国立極地研究所, 研究系, 助手 (00183129)
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Keywords | オゾン / 輸送 / 南極オゾンホール / 成層圏 |
Research Abstract |
本研究は、オゾンの変動をもたらす要因が様々ある中で、大気の運動による効果、即ち輸送過程を解明することを中心課題としている。3年目に当たる平成6年度は長年にわたって続けている南極昭和基地での、オゾン全量やオゾンゾンデによる鉛直分布の観測結果をもとに解析を行い、オゾン変動の様態を明らかにした。1980年代に入って顕著になった春季オゾンの減少は、90年代に入ってますます強まり、安定的に低いオゾン全量を続けている。オゾンの鉛直高度分布では、オゾンホールの強まった時期、中心的な高度の14〜19km、70〜150hPa域ではオゾンが完全に破壊されてしまうことが明らかになった。特に、90年代の特徴として、成層圏下部、100〜150hPa域のオゾン減少が顕著で、オゾンホール解消以降も低い値が続いている。この高度領域は、ほとんど全て力学的効果によって支配されているので、極渦の形態、その解消など、大気循環場の変化、輸送過程の変化が起っているものと考えられる。 成層圏オゾン変動解明の一歩として、力学と化学過程を分離すべく、流線沿いに並んだ離れた地点でオゾンゾンデの同期観測を行った。これは、ドイツ、南アフリカ、インド、ロシアと日本との国際共同研究として行ったもので、各国の南極基地ノイマイヤー、サナエ、マイトリ、ノボラザレフスカヤ、昭和の各基地で、1993年9月初旬の10日間、オゾン全量およびオゾンゾンデの共同観測として実施した。観測値と気象客観解析データに基くバックワードトラジェクトリーの比較等から、極渦周辺域での変化の特徴が明らかにされた。多くは、成層圏上層だは低緯度から極渦中心方向への輸送が、下層では中心から北向への輸送があることが分り、オゾン量の変動が説明された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Gernandt,H: "Aqualitative assessment of height dependent interannual vakiability of polar stratospheric ozone,Part I.Long-term variability and stratospheric ozon depletion." Proc.NIPRSymp.Polar Meteorol.Glaciol.8. 1-13 (1994)
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[Publications] Hayashi,M.: "Observation of ozon and aerosols in the Antarctic ozone hole of 1991 under the Polar Patrol Balloon(PPB)project-Preliminary result-." Ozone in the Troposphere and Stratosphere,Hudson,R.D.,NASA Conf.Pub.3266. 565-568 (1994)
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[Publications] Knzawa,H.: "Trajectory analysis of Polar Patrol Balloon(PPB)flights in the stratosphere over Antarctica in summer and spring:A preliminary result." Ozone in the Troposphere and Stratosphere,Hudson,R.D.,Ed.,NASA Conf.Pub.3266. 606-609 (1994)
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[Publications] Matsubara,K.: "Long term variation of stratospheric ozone and the ozone hole observation." Final Report of WCRP in JAPAN(Japanese WCRP Association),Section 6. 31-35 (1995)