沖縄トラフの中央地溝および熱水域の北方延長の探査・研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04452078
• Research Institution: University of the Ryukyus
• Principal Investigator: 木村 政昭 琉球大学, 理学部, 助教授 (20112443)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 古川 雅英 放射線医学研究所, 環境衛星研究部, 技官 (40238671) ; 小野 朋典 琉球大学, 理学部, 教務職員 (70233583)
• Keywords: 沖縄トラフ / 中央地溝 / 背弧海盆 / 琉球弧 / 熱水域 / 熱水性鉱床 / 地磁気異常 / 海水準変動

Research Abstract

平成5年7月「かいよう」、11月「長崎丸」による沖縄トラフ域の精密地形・地磁気調査および試料採取を行った、平成5年5月、無人潜水船「ドルフィン3K」による、沖縄トラフ北部の中央地溝、特に南奄西海丘の熱水域の調査を行った。8-9月、同船と有す人潜水船「しんかい2000」による、沖縄トラフ北縁潜水調査を行った。平成6年2月、無人潜水船「スコーピオン」を用いての調査が行われた。以上の成果をふまえて、これまでに得られた諸機関による地磁気および音探探査データの総合的解析を行うことができた。その結果、以下のような成果が得られた。
1)南奄西海丘の従来より北方の地点およびより北方の沖縄硫黄島火山西方の海底で新熱水域発見の可能性を明らかにした。そこでは、伊是名海穴等で見られるようなバクテリア・マット(?)海水のゆらぎ、気泡および炭酸塩沈積物が認められた。
2)潜水調査により、沖縄トラフ北部東縁にあたるトカラ・ギヤップの水深1200mの海嶺上で、数万年前に生成されたと推定される琉球石灰岩の大露頭が確認された。これより、本域の最新期の水没は【.encircled1.】および150-100万年前と、【.encircled2.】数万年以降の、2回が推定された。
3)沖縄トラフ中央地溝の形成時期が、およそ今から200万年前ということがより明確となった。
4)沖縄トラフの中央地溝の北方延長部は、九州中央部に連続することがより明らかとなった。