1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452080
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
田代 正之 高知大学, 理学部, 教授 (30117014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 一人 高知大学, 理学部, 助教授 (00153560)
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Keywords | 古地磁気層序 / 北海道 / 白亜系 / 九州 / 古地磁気学 |
Research Abstract |
今年度は新たに以下の2地域の古地磁気学的研究を行った。 1.北海道中軸帯の上部白亜系 北海道北部中頓別町北方の宇津内川、及び天塩中川町南方の安平志内川支流炭の沢沿いに分布する上部蝦夷層群と函淵層群を主な対象に古地磁気層序学的研究を行った。その結果、全41サイト中21サイトから信頼に足る古地磁気平均方位を得た。傾動補正後の平均偏角は、炭の沢の下部と宇津内川では約20度の東偏を示すのに対し、炭の沢の上部では約25度の西偏を示す。この約20度の東偏は、北海道中軸部第三系の一般的な古地磁気方位と一致している。従って、北海道中軸部は白亜紀後期に約45度の反時計周りの回転運動をした後、第三紀後期に逆に約20度の時計周り回転運動をした可能性が高い。古地磁気層序では、炭の沢の最上部に逆帯磁層準がみられるのみで、他はすべて正帯磁であった。これまでの化石層序学的研究結果と総合すると、この逆帯磁層準はCampanian界前期のPolarity chron33rに、正帯磁層準は白亜紀磁気静穏期にそれぞれ対比することができる。 2.南九州の第三系 宮崎県南部に分布する鮮新世宮崎層群を対象に古地磁気学的研究を行った。全37サイト中、13サイトから信頼できる古地磁気平均方位を得られた。このうち2サイトのみが正極性で、他の11サイトはすべて逆極性であった。傾動補正後の平均偏角は約30度の西偏を示した。この結果は、これまでに明かにされた種子島の中期中新世茎永層群や宮崎県の後期中新世内海川層群の古地磁気方位と調和的である。従って、種子島を含む南九州地域は鮮新世最後期、すなわち約2Ma以降に約30度の反時計回り回転運動を行ったことが分かった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tashiro,M.: "On the occurrence of Pterotrigonia(s.l.)kawaguchiensis Tamura et Nishida(Cretaceous trigonian)from Nakaizu area,Tokushima Prefecture." Mem.Fac.Sci.Kochi Univ.Ser.E. 15. 1-5 (1994)
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[Publications] Tashiro,M.: "On some selected bivalve fossils from various localities of Cretaceous strata in Japan." Mem.Fac.Sci.Kochi Univ.Ser.E. 15. 7-15 (1994)
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[Publications] Tashiro,M.: "Cretaceous bivalves from Gokase area of Miyazaki Prefecture in Kyushu." Mem.Fac.Sci.Kochi Univ.Ser.E. 14. 1-14 (1993)
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[Publications] Kodama,K.: "Clockwise tectonic rotation of Tertiary sedimentary basins in centralHokkaido,northern Japan." Geology. 21. 431-434 (1993)
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[Publications] Kodama,K.: "Paleomagnetic evidence for post-Late Miocene intra-arc rotation of south Kyushu,Japan." Tectonics. 12. 35-47 (1993)