1994 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧下における微量元素の挙動と地球内部の化学進化に関する研究
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04452081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大谷 英治 東北大学, 理学部, 教授 (60136306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 晃助 東北大学, 理学部, 教授 (50000865)
加藤 工 東北大学, 理学部, 助手 (90214379)
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Keywords | 核 / 珪酸塩ペロブスカイト / 親石元素 / 親鉄元素 / 分配係数 / マグマの密度 / 分配溶融 |
Research Abstract |
高温高圧下における元素分配は、初期地球おける大規模融解の痕跡をマントル組成に読取り、さらに核の形成プロセスを推定するための基礎となる量である。本年度においては、珪酸塩ペロブスカイトと液、珪酸塩ペロブスカイトと金属鉄、珪酸塩メルトと金属鉄などの間の超高圧下での元素分配の測定を行った。測定には、主としてEPMAを用いて行い、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wなどの親石元素や親鉄元素の分配係数を20GPaの条件に於て明らかにすることができた。さらに、金属鉄と珪酸塩マグマの分配係数に関しては、上記の元素の分配係数に対する硫黄などの軽元素の効果についても明かにすることができた。これらの分配係数は初期地球の核形成過程の議論に制約条件を与えるものである。これらの実験結果に基づいて、初期地球の核形成過程について論じた。これらの研究とともに、初期地球における諸過程を解明するために、Mg2SiO4-Fe2SiO4系やMg2SiO4-Mg3A12Si3O12系などの珪酸塩単純系の融解実験を20GPa程度の条件で明かにした。特に、Mg2SiO4-Fe2SiO4系においては、20GPaにおいてマグネシウムに富む側では、AnhydrousB相と液に分解溶融し、鉄に富む側では、Magnesiowustiteと液に分解溶融することが始めて明らかになった。さらに珪酸塩マグマの高圧下における密度の測定を20GPaを越える高圧まで行うことができた。特に、20GPa付近でマントル組成のメルト中においてダイヤモンドが浮き上がることを始めて見いだした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Morishima et al.: "The phase boundary letween α-and β-Mg2SiO4 detormined by in situ X-ray observation" Science. 265. 1202-1203 (1994)
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[Publications] H.Morishima et al.: "Themrel axpansion of MgSiO3 perovskite at 20.5GPa" Geophysicl Research Letter. 21. 899-902 (1994)
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[Publications] H.Morishima,E.Ohtani et al.: "The raman spectroscopic study for MgSiO3 perovskite and majorite solid solutions MgSiO3-Mg3Al2Si3O12" Mineralogicel Journal. 16. 399-406 (1993)
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[Publications] E Ohtani et al.: "Element partitioning between MgSiO3 perovskile,magma,and molteniwn constiaints for the earliest process of the Earth-Moonsystem in Core of the Earh" Terra Publication,Tokyo (in press), (1995)
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[Publications] 大谷栄治: "地球型惑星及び月の内部物質、武田、北村、宮本編、固体惑星物質科学の基礎的手法と応用" サイエンス ハウス, 14 (1994)