1993 Fiscal Year Annual Research Report
III-VI族化合物半導体における空孔の配列制御と光学的異方性
Project/Area Number |
04452088
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小長井 誠 東京工業大学, 工学部, 教授 (40111653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 保 東京工業大学, 工学部, 助手 (80233378)
山田 明 東京工業大学, 工学部, 講師 (40220363)
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Keywords | III-VI族化合物半導体 / ガリウムセレン / 欠損性閃亜鉛鉱構造 / 層状構造 / 空孔の規則配列 / 光学的異方性 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度の研究成果を踏まえ,SI-(100)GaAs基板上にMBE成長したGa_2Se_3のフォトルミネッセンス(PL)測定を行なった.Ga空孔が規則配列したGa_2Se_3において,610nm付近のブロードな発光を観測した.また,このPLスペクトルの偏光特性において,[011]成分の発光強度に比べて[011]成分の発光強度が大きいことが明らかになった.これは,電子遷移の確率が[011]偏光に対する方が大きいことを意味しており,[011]偏光に対して[011]偏光の方が吸収係数が大きかったことと一致している. また,透過型電子顕微鏡(TEM)により基板界面付近の構造を評価したところ,(011)断面にのみ,基板界面付近に(111)面上に多数の欠陥が観測された.これは,通常の積層欠陥とは面間隔が異なっており,層状のGaSeと類似のSe-Se結合により形成されていると考えられる. さらに,この様な欠陥の密度を源少させる目的で,ZnSeバッファ層上へのGa_2Se_3の結晶成長を試みたところ,Gs_2Se_3の成長温度が540℃以上のとき,ZnSe層とGa_2Se_3層の相互拡散により混晶化がおこり,欠損性カルコパイライト構造を有するZnGa_2Se_4がエピタキシャル成長することを見出した. また,層状構造を有するGaSeのMBE成長も試み,(111)GaAs基板上に成長温度350℃でc軸配向したGaSeのエピタキシャル成長に成功した.しかし,十分な結晶性は得られず,PLは観測されなかった.結晶性改善のために成長温度を上昇させると,ファンデルワールス力を介した成長であるため再蒸発してしまい,膜の成長は見られなかった.そこで,(100)および(112)GaAs基板を用いて,成長温度540℃でGaのビーム強度を増加させたところ,基板と共有結合を介して成長し,結晶性が向上して2.01eVのDAペア発光が観測された.
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[Publications] Nobuaki Kojima: "Photoinduced Oxidation of Epitaxial Ga_2Se_3 Grown by Molecular Beam Epitaxy" Jpn.J.Appl.Phys.32. L887-L889 (1993)
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[Publications] Akira Yamada: "MBE Growth of Ga_2Se_3 and GaSe and Their Optical Properties" Proc.State-of-the Art Program on Compound Semiconductors XVIII. (in press). (1993)
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[Publications] Tamotsu Okamoto: "Polarized Photoluminescence in Vacancy-Ordered Ga_2Se_3" J.Crystal Growth. (in press). (1994)
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[Publications] Tamotsu Okamoto: "Characterization of the Interface between Ga_2Se_3 Epitaxial Layer and(100)GaP Substrate by Transmission Electron Microscopy" Proc.1st International Symposium on Control of Semiconductor Interfaces. (in press). (1993)
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[Publications] 山田 明: "Ga_2Se_3における空孔の規則配列と光学的異方性" 応用物理. 63. 165-168 (1994)