1993 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質シリコンの部分酸化による結晶シリコンの量子サイズ化とその発光
Project/Area Number |
04452094
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 利道 大阪大学, 工学部, 助教授 (00183004)
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Keywords | 多孔質シリコン / 可視発光 / フォトルミネセンス / エレクトロルミネセンス / 量子サイズ効果 |
Research Abstract |
SiウエーハをHF系水溶液中で陽極化成して得られる多孔質シリコン(PS)は強い室温可視発光を呈するが、構造不安定性が問題である。そこで本研究では、陽極酸化法やECRプラズマ酸化法に基づく界面制御により、PSの微細構造の安定化を図った結果、諸特性が改善されることを見出した。陽極酸化初期過程では、酸化時間とともに、PLおよびPL励起ピーク位置がある程度ブルーシフトするが、PLピークのブルーシフトは飽和する。これは、PS試料中の微結晶Siサイズの酸化によるサイズ縮小効果、つまりバンドギャップの拡がりと同時にPLセンターの出現を意味する。室温で長波長側にPLピークを持つ試料のPLピークエネルギーの温度係数はバルクSiのバンドギャップの温度係数とほぼ同じ値になるのに対し、飽和位置に室温PLピークがある試料では、その温度係数は数倍の大きさとなった。後者の場合、ピーク位置が温度に殆ど依存しないピークが不連続的に幾つか存在し、温度の低下とともに熱的緩和過程が減少し、より高エネルギー側のピークが相対的により大きく増大するため、結果的な合成ピーク位置が上記の大きな温度係数を与えることが判明した。一方、浅いPN接合を持つPS試料から、観測されるELスペクトルは陽極酸化処理により安定し、注入電流が増加すると発光ピーク位置が不変のまま、発光強度が増加する。発光強度の電流密度依存性は、1次以上のベキ乗で表わされ、高電界によるホットキャリアの効果が示唆される。また、ECRプラズマ酸化した試料の場合には、水素プラズマ処理により酸化膜中の欠陥が補償でき、ELスペクトルを安定化できることが判明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Toshimichi Ito: "Aging phenomena of light emitting porous silicon" J.of Luminescence. 57. 331-339 (1993)
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[Publications] 本井見二: "可視発光多孔質シリコンの陽極酸化処理効果" 電子情報通信学会技術報告. 93(369). 15-20 (1993)
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[Publications] 山本拓郎: "PN接合多孔質シリコンの可視発光" 電子情報通信学会技術報告. 93(369). 29-34 (1993)
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[Publications] 新垣修: "水素プラズマ処理による酸化多孔質シリコンのPL・EL特性の安定化" 電子情報通信学会技術報告. 93(369). 35-40 (1993)
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[Publications] Toshimichi Ito: "Visible Photoluminescence from Anodically Oxidized Porous silicon" Jpn.J.Appl.Phys.33(発表予定). (1994)