1992 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモン励起を用いた新しいタイプの高効率光電子素子に関する研究
Project/Area Number |
04452095
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 真至 神戸大学, 工学部, 助教授 (50107348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 久雄 神戸大学, 工学部, 助手 (00220179)
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Keywords | 表面プラズモン / 太陽電池 / 光電変換 / 銅フタロシアニン / 有機薄膜 / 高効率化 |
Research Abstract |
本年度は、以下の様な成果を得た。 1.銅フタロシアニン太陽電池の表面プラズモン励起による効率向上:真空蒸着法で作製した、AI/Cu Pc(銅フタロシアニン)/Agの多層膜構造は、太陽電池として動作する。我々は、この太陽電池にプリズムを利用したATR(Attenuated Total Reflection)法を適用し、Ag/空気界面の表面プラズモンを励起し、光電変換効率の増大を観測した。その結果、増大率は入射光の波長に強く依存し、太陽光の強度がほぼ最大となる550nm付近で最も大きくなる(約8倍程度)ことを見いだした。電磁気学的な計算と実験結果を比較することにより、今回観測された効率の増大は、表面プラズモン励起により銅フタロシアニン層での光吸収が増大しキャリアー生成ま割合が増大することに起因していることが明かとなった。今回の実験は、単色光入射の実験であるが、白色光による表面プラズモンの励起が可能ならば非常に効率の高い光電変換素子の実現が可能であることを示唆している。(現在投稿中) 2.局在プラズモンと表面プラズモンポラリトンとの相互作用:白色界による表面プラズモン励起を実現する方法として、金属超微粒子に局在する表面プラズモンの励起を介する二次元表面プラズモンポラリトンの励起が考えられる。このような相互作用の研究の第一歩として、A1薄膜上にAg超微粒子を配置した試料のATRスペクトルを測定した。その結果、相互作用は強く、局在プラズモンを介した励起が可能であることが示唆された。(現在投稿中)今後、励起を直接的に実験で確かめる予定である。 3.配向性有機薄膜の光電変換特性:KBr等にエピタキシャル成長した、種々の有機配向性薄膜の構造及び光電変換特全を調べた。その結果、配向性が高い程変換効率が向上することが実際に確かめられた。
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[Publications] M.Fujii,M.Wada S.Hayashi,K.Yamamoto: "Infrared Absorption in SiO_2-Ge Couposite films:Influeues of Ge Microcrystals on the Longitudirxel-Optical Plonons in SiO_2" Physical Review. B46. 15930-15935 (1992)
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[Publications] H.Yanagi,M.Wada Y.Ueda,M.Ashida D.Wohrle: "Structuse and Photoelectrocheenucical Properties of Thin Films of Polymesic Phthalocyanines From Bridged Diphtalonitriles" MaKromol.Chem. 193. 1903-1911 (1992)
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[Publications] S.Hayashi,H.Ikuno,H.Yanagi,M.Ashida: "Epitaxial Growth and Molecular Orientatin of tetra(4-pyridyl)Porphyrin thin Film" J.Cryst.Growth. 123. 35-41 (1992)
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[Publications] H.Yanagi,T.Kouzeki.M.Ashida,T.Noguchi 他3名: "Moleculas Orieutatim of Vacuum-Deposited Thin Films of Zincnaphthalecyanine" J.Appl.Pluys.71. 5146-5153 (1992)