1992 Fiscal Year Annual Research Report
過渡ラマン散乱によるナノ秒からピコ秒への高効率パルス圧縮の研究
Project/Area Number |
04452102
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
植田 憲一 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 教授 (10103938)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宅間 宏 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 教授 (70012200)
西岡 一 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 助手 (70180586)
|
Keywords | ダイクロイックミラー / 誘導ラマン散乱 / KrFレーザー / 光共振器 / パルス圧縮 / 4光波混合 |
Research Abstract |
上準位寿命の短い紫外レーザーの高出力化には、パルス圧縮技術の開発が不可避である。本研究は、高フィネスキャビティー中に蓄えられた光エネルギーを誘導ラマン散乱により圧縮し、数100倍の光強度増倍率を得るパルス圧縮法の開発を目的とした。 [1]後方ラマンパルス圧縮法を過渡領域に拡張し、高次ストークス光を効果的に抑制する新しい手法を提案した。 [2]メタンガス中で、20nsのKrFレーザーパルスを30Psストークス光に変換し、これまでの圧縮率を30倍以上更新する150倍の圧縮率を得た。 [3]1次ストークス光に対してのみ高反射率を持つダイクロイックキャビティーを開発し、紫外域でフィネス400を実測した。 [4]100nsを超えるストークスエネルギーの蓄積を実験的に確認した。 [5]Arレーザーの第2高調波によってKrFレーザーの注入同期を行い、線幅800Mhzの狭帯域励起光を発生させた。 [6]注入同期によるモード制限法を提案し、フーリエ限界ピコ秒パルスを発生させた。 [7]キャビティー内部で、ラマン4光波混合によりピコ秒ストークス光を発生させる方法を提案し、励起光と引き出し光の同一波長化を実現した。 [8]20nsから10psへのパルス圧縮実験を行い、原理の有効性を示した。 来年度は、ダイクロイックキャビティー、および、励起用光導波路を最適化して蓄積光の横モード制御を行い、変換効率の向上を図る予定である。
|
-
[Publications] H.Nishioka,K.Kimura,K.Ueda,and H.Takuma: "High Compression Ratio Backward Raman Conversion for High Brightness Excimer Laser Systems" IEEE J.Quantum Electron.(Accepted for publication).