1992 Fiscal Year Annual Research Report
耐熱高分子基複合材料のマイクロフラクチャメカニクスの実験的解明
Project/Area Number |
04452111
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 展雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (10171646)
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Keywords | 耐熱高分子 / 複合材料 / クロスプライ / マトリックスクラック / 層間剥離 / 微視観察 / モデリング |
Research Abstract |
耐熱高分子基複合材料の開発には,基材と強化繊維との相互作用や界面層挙動を含むミクロ変形・破壊特性が重要な材料設計因子である。本研究では,代表的な耐熱高分子を基材とする繊維強化複合材料の,最も基本的な積層構成である0゚/90゚層からなるクロスプライ(直交)積層板を用い,(I)90゚層内の初期マトリックスクラック発生,(II)マルテイプルマトリックスクラック発生,(III)マトリックスクラック端部からの層間剥離発生,の各段階におけるミクロな変形・破壊プロセスを,レプリカ法、および,負荷装置付き光学顕微鏡(OM),走査型電子顕微鏡(SEM),走査型超音波顕微鏡(SAM)を用いる負荷中その場観察により定量的に明らかにし,マイクロメカニクスの理論解析の実験的検証を行うことを目的とした。本年度の成果は以下に示す通りである。 1.実験材料としては,標準材としての180℃硬化のエポキシ樹脂(TGDDM/DDS系),および層間ポリアミド粒子分散エポキシ樹脂,各々マトリックスとするカーボン繊維強化複合材料を用いた。変形破壊プロセスの相違を調べる目的で,積層構成としては,基本的なクロスプライ[0/90n/0](n=4,8,12)を用いた。 2.室温における負荷中レプリカ法,OM,SEMまたはSAM内のその場観察装置を用いて,上記(I)〜(III)各段階におけるミクロな変形・破壊プロセスを各負荷段階でその場観察した。また,その場観察法により初めて可能になる各種の特徴,この方法の適用限界を明らかにした。 3.上記(I)〜(III)各段階におけるミクロな変形・破壊プロセスのモデリングを行った。変形のシアラグ解析,損傷発生の確率分布,き裂進展のエネルギ解析などを組合せた理論解析により,実験結果を巧妙に説明した。
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