1992 Fiscal Year Annual Research Report
スラストすべり軸受の潤滑膜の乱流せん移に関する研究
Project/Area Number |
04452132
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
原田 正躬 埼玉大学, 工学部, 教授 (30008867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 隆太郎 埼玉大学, 工学部, 助手 (00008872)
笹島 和幸 埼玉大学, 工学部, 助教授 (80170702)
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Keywords | 軸受 / スラスト軸受 / 油膜 / 乱流せん移 |
Research Abstract |
(1)落射蛍光装置および高精度の微小変位計の設置を含む実験装置本体の製作が終了し、予備実験として、隙間が0.3〜3.0mmの場合について、回転円板面に付着した粒子が、せん移にともなう渦によって剥離して生じる模様を観測し、鮮明な写真撮影を行なうことができた。その結果、上記の隙間の範囲では、回転円板外周部が完全乱流域にあるとき、その内部には、(1)隙間が大きい場合は、回転と反対方向になびくら線模様が生じる。また、この領域の内側は層流域であり、ら線模様は観測されない。(2)隙間が狭くなると、ら線模様が生じている領域の内側に、これと交差するら線模様が加わり、交差縞模様が生じている領域が現れる。 (3)交差縞模様が生じると、その内側にある層流域にまで影響がおよび、層流領域にも弱い交差縞模様が生じていることが観測される。(4)回転円板のふれ、および固定円板の傾斜は以上の傾向を助長する。 (2)すきまが0.2〜3.0mmの範囲で摩擦トルクの測定を行ない、乱流せん移に対する臨界レイノルズ数は隙間の大きさによって変化し、(5)すきまが大きくなると一定値に漸近すること、(6)すきまがちいさくなると、増加すること、(7)最小値を与える隙間(この実験では1.5mm)があること、などがわかった。さらに、 (3)落射蛍光装置を用いて隙間内の流れの速度を測定するための予備実験をおこなった。すなわち、直径60mmのオプチカルフラットと0.2Raに仕上げられた金属面とを用いて5μmの隙間をつくり、その中央から、蛍光粒子を添加した水を流して、蛍光粒子を追跡し、ビデオカメラで撮影することに成功した。その結果、この研究で計画している方法で、流れの速度の測定が可能であることを確認することができた。
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