1992 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアクチュエータによるターボ機械内部流れの制御に関する基礎的研究
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04452142
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 雅弘 九州大学, 工学部, 教授 (90037903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 芳久 九州大学, 工学部, 助手 (40037883)
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Keywords | ターボ機械 / 旋回失速 / 圧力変動 / 予見制御 / 流れの制御 / マイクロアクチュエータ / カルマン渦 / 引き込み現象 |
Research Abstract |
本研究は,動力プラント,化学プラントなど各種プラントで主機または補機として広く使用されるターボ機械に関して,内部流動状態の局所的センシングに基づき局所的に流れの制御を行う方法を探求することによりターボ機械のAI化を企図する基礎的研究であり,局所流れのセンシングとマイクロアクチュエータを駆使した流れの制御に焦点を紋る。 センシングに関しては,回転翼列試験装置を用いて,軸流形ターボ機械の動翼直前の圧力変動を詳細に調べ,動翼回転に対して位相固定した圧力データを統計的に処理することにより,動翼に旋回失速が生じる直前に失速を予兆できることが分かり,失速予知法開発の見通しを得た。さらに,この手法を一般化するために,斜流形ターボ機械の羽根車直前の圧力変動に関しても同様の統計的処理を行い,ターボ機械運転中に実時間で監視できる失速予知パラメータを見い出すことに成功した。 マイクロアクチュエータによる流れの制御に関しては,実際の機械内における慣性の大きい流れの剥離をマイクロアクチュエータで制御する可能性を追求するために,アクチュエータとしてバイモルフ型の圧電振動素子を用い,角柱体後方の剥離せん断層より生成されるカルマン渦を制御する試みを行った。この結果,次のことが明らかになった。レイノルズ数が比較的大きい乱流においてはカルマン渦の振動スペクトル分布は特定の周波数を中心としてある程度の幅を有しており,微小振動アクチュエータによる振動制御は困難であるが,ある条件では制御が可能である。すなわち,角柱体の縦横比が小さく前縁から剥離せん断層が生じる場合には,側壁を数十ミクロン程度振動させることにより渦の振動スペクトル分布を鋭いピークにすることができ,また150Hz程度の振動に対して2〜4Hzの引き込みを行うことができる。
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[Publications] M.Inoue,M.Kuroumaru and Y.Ando: "Pressure Fluctuation on Casing Wall of Isolated Axial Compressor Rotors at Low Flow Rate" Transactions of the ASME,Journal of Turbomachinery. 115-1. 19-27 (1993)