1994 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアクチュエータによるターボ機械内部流れの制御に関する基礎的研究
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04452142
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井上 雅弘 九州大学, 工学部, 教授 (90037903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 芳久 九州大学, 工学部, 助手 (40037883)
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Keywords | ターボ機械 / 旋回失速 / 流動診断 / 流れの制御 / 圧電素子 / マイクロアクチュエータ / カルマン渦 / 引込み現象 |
Research Abstract |
本研究は、ターボ機械に発生する流動異常現象を局所的な流動状態により予見して自動的に回避し、つねに最適条件で作動する機械要素の開発、すなわち、ターボ機械の知能化のための基礎的研究であり、局所流れのセンシング技術とマイクロアクチュエータを駆使した流れの制御技術の開発に焦点を絞っている。 センシング技術に関しては、初年度および次年度に開発したターボ圧縮機の旋回失速予知システムについてとりまとめを行った。すなわち、旋回失速の予知を行うためには高感度圧力センサーを動翼前縁付近のケーシングに設ければよいこと、ターボ機械の内部流動は乱れが大きいので、信号を統計的に処理しつつ実時間で監視する必要があることを明きらかにし、統計的処理を行うために生じる実時間監視の時間遅れ補正法を提案して、異常現象監視システムを構築した。 マイクロアクチュエータによる流れの制御に関しては、アクチュエータとしてバイモルフ型圧電素子を用い、柱状物体後方の剥離せん断層を制御する試みを行っている。初年度および次年度には、レイノルズ数の大きい流れにおいても、特定の条件で境界層を微小励起することにより、柱状物体の後方の剥離点を変化させることが可能で、カルマン渦の放出周波数を上げるように励起すれば、剥離域が減少することを明らかにしたが、本年度は、ターボ機械への応用を考慮して流れに対する柱状物体の迎え角を変化させ、物体境界層の上流をマイクロアクチュエータで励起する実験を行った。その結果、迎え角がある場合には、背面側上流の励起が有効であること、柱状物体前縁はく離泡の再付着点を励起すると最も効果的であることを明らかにした。また、特定周波数で励起することにより、後流における乱れスペクトルは狭い周波数に引き寄せられ、それに従って騒音スペクトルも特定周波数が卓越するので、騒音のアクティブコントロールも行い易いことが明らかになった。
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[Publications] 安東 洋一: "軸流および斜流回転翼列の旋回失速予知システムの開発" ターボ機械. 22巻. 322-328 (1994)
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[Publications] 井上 雅弘: "境界層の微小励起による鈍頭物体後流の周波数応答" 日本機械学会P-SC222分科会報告. 474. 129-134 (1994)
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[Publications] Inoue,Masahiro: "Spectral Responce of Bluff Body Wake to Micro-Excitabion of Baundary Layer" Proc.of 3rd JSME-KSME Fluids Eng.Conf.3. 595-600 (1994)