1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452158
|
Research Institution | Tokyo Metoropolitan University |
Principal Investigator |
渡辺 敦 東京都立大学, 工学部, 教授 (70167104)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸貫 信行 東京都立大学, 工学部, 助教授 (90166463)
川田 誠一 東京都立大学, 工学部, 助教授 (20152960)
|
Keywords | 精密位置ぎめ / サーボ・コントロール / 可変構造 / スライディング・モード / PID制御 / 状態フィードバック / 制御設計 / 光学的リニア・エンコーダ |
Research Abstract |
位置決め装置の機械的機構内に存在するクーロン摩擦やバックラッシュなどの非線形特性、力や熱による寸法変化や変形などは、位置決めの精度に大きな影響をおよぼす。本研究ではこれらの要因を克服して超精密な位置決め精度を実現する制御方式の検討を以下の内容で行った。 1。予備的検討 ボールねじをサーボモータで駆動してテーブルを移動させる形式の既存の1軸位置決め装置を用いて、いくつかの方式の制御を試みた。その結果可変構造制御によるスライディングモード制御が有望であることが判明した。このほかフィードバック制御にパルス状操作入力を組み合わせた方式が、単純ではあるがかなり良好な成績をあげる実用的方式であることもわかった。これらはシミュレーションによっても確かめた。 2。精密位置決め実験装置の計画と組み立て 既存装置と構造は同一で、精度を高めた位置決め装置を組み立てた。テーブルの位置を分解能10nmの光学式リニアエンコーダで検出し、これを直接フィードバックする制御ループを構成した。 3。制御方式の比較検討 制御対象の数学モデルとして、3次、4次、5次の3種の状態方程式をとり、それぞれについて、状態フィードバック制御とスライディングモード制御による設計をおこない、シミュレーションと実験により制御性能を比較した。いずれの制御方式にについても3次モデルでは無視した高次モードの影響、5次モデルではパラメータ推定の困難性から良好な結果が得られず、4次モデルが最良の結果を与えた。制御方式ではスライディングモード制御がより良好な制御成績を与えることが分かった。
|
-
[Publications] 小峰宏文: "精密位置ぎめ装置の非線形制御に関する研究" 平成5年度東京都立大学修士論文. (1994)
-
[Publications] S.Kawata,A.Watanabe,T.Okada: "Linear Position Control by Sliding Mode with Nonlinear Surface" Preprint,12th World Congress,International Federation of Automatic Control. 4. 193-298 (1993)