1992 Fiscal Year Annual Research Report
帯電液滴による高密度空間電荷形成と気中放電に関する研究
Project/Area Number |
04452160
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
浅野 和俊 山形大学, 工学部, 教授 (30007182)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八塚 京子 山形大学, 工学部, 講師 (60210283)
東山 禎夫 山形大学, 工学部, 助教授 (50144209)
|
Keywords | 帯電粒子 / 空間電荷 / エアレスノズル / 誘導帯電 / 空間電荷放電 |
Research Abstract |
本研究の目的は帯電粒子雲と金属電極との間、あるいはそれぞれ逆極性に帯電した粒子雲間の放電を実現することであり、今年度はこのような放電を制御された状態で再現させる方法を検討した。まず第一に、高い電荷量を有する液滴からなる空間電荷雲を形成させる方法を検討した。液滴生成には取扱が容易なエアレスノズルを使用し、ノズル先端部に取り付けた誘導帯電電極により、液滴を帯電させる方法を採用した。電動ポンプを用いて1〜3MPaまで加圧された水道水をノズルから噴出する。使用したノズルを用いて生成できる液滴の平均粒径は50μmである。液滴に分裂する位置の近傍にリング状の誘導帯電電極を配置して、電極への印加電圧およびその位置を変えることにより、液滴の持つ電荷量を適宜変えることができ、所定の電荷密度を有する空間電荷雲を形成できる。本研究では最大空間電荷密度を1μC/m^3まで達成できた。使用するノズルを選択することにより、さらに高い電荷密度の電荷雲を形成できることも明らかになった。4本のエアレスノズルを用いたとき、2.6μC/m^3の空間電荷密度が実現できた。空間電荷と電極との間の放電の形成を確認するために、噴出帯電液滴を直径1m、高さ2mの円筒電極内に閉じ込めた状態で、接地円筒の外から空間電荷雲中心に向けて接地針電極を1m/sの速度で挿入した。挿入時の電極先端部をイメージインテンシファイアで観察した結果、微弱な発光を伴うストリーマコロナ放電が起きていることがわかった。また、放電電流の測定からは金属電極針対平板間で生じるコロナ放電と、本研究の空間電荷と針電極で得られた放電とはその特性が異なることが明らかになった。今後、さらに電荷密度を大きくした空間電荷雲を用いて放電特性を調べることの有用性を証明した。
|