1992 Fiscal Year Annual Research Report
選択成長を利用した半導体量子ドットの作製と物性の研究
Project/Area Number |
04452165
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福井 孝志 北海道大学, 量子界面エレクトロニクス研究センター, 教授 (30240641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤沢 正道 北海道大学, 工学部, 助手 (30212400)
長谷川 英機 北海道大学, 工学部, 教授 (60001781)
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Keywords | 半導体 / 結晶成長 / 量子ドット |
Research Abstract |
本年度は、量子ドット構造を作製するための基礎実験として、SiO_2マスクパターンを施した(001)GaAs基板上に、結晶学的に4回対称の{011}ファセットに囲まれた量子細線・量子箱の作製を目標とし、有機金属気相成長法を用いてGaAs及びAlGaAsの選択成長を行った。SiO_2膜はウェットケミカルエッチングではく離した。パターンサイズは2μmである。GaAsの成長では良好なピラミッド構造が得られたが、形状は結晶成長条件に強く依存することが明らかとなった。まず成長温度に対しては700℃以上ではSiO_2マスク部に多結晶の析出が見られないが、650℃と比較的低温では、SiO_2上での原料原子の拡散距離が短かいため多結晶が析出することが明らかとなった。また、ファセット形状はV族原料であるAsの分圧にも強く依存し、As圧の低い条件(V/III=10)では、側面に(110)面が現われず、形状が多きくくずれた。またいずれの条件においても上面(001)にくぼみが見られ、量子ドット作製の際には悪響影を及ぼす可能性があり、原因と解決策を検討中である。さらに次のステップとして、AlGaAsの成長を試みた。原料AlはSiO_2膜上では拡散距離が短いため成長条件によらずSiO_2上に多結晶が析出する傾向があることが明らかとなった。最終目標である量子ドットを作製するためには、GaAs/AlGaAsヘテロ構造の選択成長が不可欠であり、現在AlGaAsの良好なファセット形成条件を検討している。現在までの所、結晶成長条件を変えて、形状をSEMで評価し結果をフィードバックする方法で研究を進めているが、次年度からは光学的評価も併せて進めていく予定である。
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