1992 Fiscal Year Annual Research Report
超活性ガスを用いたIV族半導体の原子層成長に関する研究
Project/Area Number |
04452171
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松村 正清 東京工業大学, 工学部, 教授 (30110729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 恭敬 西東京技術科学大学, 工学部, 助教授 (80134823)
今井 茂 東京工業大学, 工学部, 助手 (40223309)
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Keywords | シリコン / ゲルマニウム / 原子層成長 / ジクロロシラン / ジエチルゲルマン / 原子状水素 |
Research Abstract |
IV族半導体の原子層成長において、原子状水素を利用することを世界で最初に提案した。原子状水素の役割は、原料供給時における成長の自己停止に必要な塩素やエチル基などの表面被覆物をその極めて強い還元力によって乖離して、清浄表面を回復することである。本年度の助成により、超高真空用部品を用いて、原料ガスと原子状水素を交互に供給できるIV族半導体原子層成長装置を作製した。原子状水素はプラズマでも容易に発生できるが、イオン損傷などの悪影響のない方法で発生させることが望ましい。そこで本研究では、白熱タングステンに水素分子を接触させて、原子状水素を効率良く発生させた。 本装置により、ジクロロシランと原子状水素を交互に供給することによるシリコンの原子層成長を試み、基板温度が550℃から650℃の範囲にて原子層成長を実現した。この温度は従来の報告例よりも約300℃も低温であって、しかも理想的な1モノレーヤ1サイクルの成長速度を達成した世界で最初の成果である。成長した膜は、RHEED観測より、単結晶であることを確認した。また、SEM観察より、表面が平坦であることも確かめた。さらに、原子層成長のウインドーについても、原料供給量や原子状水素量などを変化させて評価した。 上記成果の上にたって、ゲルマニウムの原子層成長を試みた。ジメチルゲルマンを用いた実験では原子層成長が確認できなかったが、Ge-C結合が弱いジエチルゲルマンを用いることにより、基板温度が250℃程度で、原子層成長を実現した。しかし、成長速度は理想的な1モノレーヤ/サイクルには達しなかった。これら結果は、Ge-C結合がSi-C1結合に較べて強いので、原子状水素でも表面被覆エチル基を容易には乖離できないことなどにあると推測している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Sugahara: "Electronic Structure of Si-Based Manmade Crystals" Japan Journal Applied Physics. 32. 384-388 (1993)
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[Publications] S.Imai: "Atomic Layer Epitaxy of Si Using Atomic H" Thin Solid Films. 223. (1993)