1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452177
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
廣瀬 全孝 広島大学, 工学部, 教授 (10034406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 誠一 広島大学, 工学部, 助教授 (70190759)
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Keywords | シリコン表面 / 水素終端表面 / 表面酸化 / 原子層酸化 / 全反射赤外吸収分析 |
Research Abstract |
弗酸(HF)系の化学処理したシリコン表面の平坦性を、Geプリズムを用いたフーリエ変換全反射赤外吸収分光法(FTIR-ATR)による表面水素結合状態の分析及び大気中での原子間力顕微鏡(AFM)観察より評価した。バッファ弗酸(BHF)処理あるいはHF処理したSi(100)表面は、ATR測定によれば理想的平坦面の水素結合様式SiH_2結合のみとならずSiH、SiH_3結合による信号がみられる。原子レベルでは、凹凸のある表面となっていることが明らかになった。SiH結合は(100)表面の原子ステップにおいて生ずるが、SiH_3結合の形成は、ステップ端やテラス面でSi原子の欠損したアトムトレンチあるいはマイクロファセットが存在すると思われる。一方、0.1%HFに1%H_20_2を添加した溶液(HF/H_23_2)で処理した表面では、平坦性が大幅に改善される。これは、酸化の活性点となるステップやマイクロファセットが、H_2O_2より生ずる酸素によって原子層酸化され、続いて希釈HFによりエッチングされ表面の平坦化が進むものと考えられる。HF/H_2O_2溶液で処理後、犠牲酸化を行いその酸化膜をHF/H_2O_2溶液で除去した表面は、鋭いSiH_2非対称伸縮振動スペクトルを示し、原子レベルでかなり平坦である。4.5%HF処理後のラフな表面を犠牲酸化し、同様に酸化膜を除去すると、ある程度平坦性は改善されているものの、HF/H_2O_2溶液で処理した表面に比べ、その平坦性は劣っている。このことは、犠牲酸化前処理におけるSi(100)表面の平坦性が、酸化後の表面マイクロラフネスにも反映されることを示している。 また、現状では大気中でのAFM観察において、処理の違いによる表面平坦性の変化がATR分析ほど明瞭に見られていない。これは、AFMプローブの先端径が、Siウェハ表面のミクロな凹凸より大きいためと考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 広瀬 全孝: "水素終端Si表面の自然酸化" 表面科学. 13. 324-331 (1992)
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[Publications] M.Takakura: "Chemical Structure of Native Oxide Grown on Hydrogen-Terminated Silicon Surfaces." Mat.Res.Soc.Symp.Proc.259. 113-118 (1992)
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[Publications] T.Yasaka: "Native Oxide Growth on Hydrogen-Terminated Silicon Surfaces" IEICE Trans.Electron.E75-C. 764-769 (1992)
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[Publications] T.Yasaka: "Cleaning and Oxidation of Heavily Doped Si Surfaces" Mat.Res.Soc.Symp.Proc.259. 385-390 (1992)
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[Publications] K.Sawara: "Effect of Pure Water Rinse on HF or BHF Treated Silicon Surfaces" Proc.of Intern.Workshop on Science and Technol.for Surface Reaction Process. 93-94 (1992)
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[Publications] K.Sawara: "Atomic Scale Flatness of Chemically Cleaned Silicon Surfaces Studied by Infrared ATR Spectroscopy" Jpn.J.Appl.Phys.31. L931-L933 (1992)
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[Publications] 広瀬 全孝: "シリコン自然酸化膜の成長機構半導体研究,第36巻,超LSI技術16,西澤潤一編" 工業調査会, 22 (1992)