1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452178
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
岸野 克巳 上智大学, 理工学部, 教授 (90134824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 和 上智大学, 理工学部, 助手 (70204568)
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Keywords | II-VI族半導体レーザ / ガスソースMBE / ZnSe / CdZnSe / ZnSe / 硫化水素 / ZnSepn接合 / ラジカルビーム源 |
Research Abstract |
1.(1)硫化水素、セレン化水素のクラッキング効率を測定し、クラッキング温度1100℃が適当であることを示した。(2)H_2Seと固体Znを用いて、基板温度、VI-II比を変えながらZnSeの成長を行い、フォトルミネッセンス測定を行うことで、深い準位からの発光がきわめて少ない良質のZnSeの成長条件を確立した。(3)上記の条件下で、H_2Sガスを流量を変えて供給しながら、ZnSSe結晶の成長を行い、GaAs基板との格子整合条件を求めた。その結果、H_2Seガスに比べてH_2Sは1/10程度の微少流量でよいことが分かり、ガスソースの場合、予想以上にSの付着係数が大きいことが判明した。 2.CdZnSSe混晶の屈折率を理論的に求めて、半導体レーザの導波路解析を行った。レーザ利得等の計算からCdZnSe/ZnSSe歪量子井戸レーザのしきい値電流密度を理論的に求め、温度特性の検討によって、最適な構造設計の条件を明らかにした。 3.(1)ZnCl_2を原料として、ZnSeへのn型ドーピングの実験を行って、ガスソースMBEでも、2_X10^<19>cm^<-2>の高濃度までのドーピングができることを示した。ラジカルビーム源を用いてZnSeへの窒素のp型ドーピングを試み、正孔濃度10^<16>cm^<-2>を得たが、さらなる条件の最適化が必要である。 4.CdZnSeを井戸層とするCdZnSe/ZnSe量子井戸構造の成長を行い、CdZnSeからのフォトルミネッセンス発光を観測して、CdZnSeの成長条件を把握した。 5.ZnSeあるいはZnSSeをクラッド層として、CdZnSe/ZnSSe発光ダイオードを試作して、pn接合による電圧対電流特性を確認して、室温および77Kで緑色での電流注入発光を観測した。Cd組成が0.3の場合の発光波長は室温で543nmであった。
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