1992 Fiscal Year Annual Research Report
電磁界の幾何光学的解法における等価端部電磁流法の確立
Project/Area Number |
04452182
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 真 東京工業大学, 工学部, 助教授 (90159533)
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Keywords | 等価端部電磁流法 / 等価端部電磁流 / 物理光学法 / 修正エッジ法 / 高周波近似 / 回析理論 / 物理光学近似 / フリンジ波 |
Research Abstract |
等価端部電磁流法(MEC)は、散乱体稜線に沿って仮想的な線電磁流を線積分することで電磁界を表現する方法で、高周波光線理論である幾何学的回折理論(GTD)の見通しの良さを極力保ちつつ、適用範囲や精度を飛躍的に高める。本研究の課題は、非物理的発散を伴う等の点で未完成な既存の等価端部電磁流(EEC)に対し、振る舞いの良い高精度の表現を与えることである。申請者はすでに、EECの全ての成分(物理光学成分および摂動フリンジ成分)の非物理発散を、統一的に解消する方法として「最適積分路法」を、さらに物理光学成分に対しフェルマーの原理をより拡張した「修正エッジ法」を提唱している。本研究では、この2つの概念を組み合わせ具体的には以下の項目について検討を行った。 (1)2つの異なる概念の関係を比較し、EECの物理光学成分の任意性を定量的にも明らかにした。「修正エッジ法」の概念をEECの形式に陽表現し、「最適積分路法」と比較し、この事実を数値的に裏づけた。 (2)上記で導出した平板用のEECを立体(楔)へ拡張した。2つの面の法線を用いてEECを表現し、既存の中で最も高精度な一様回折理論(UTD)と比較して遜色ない精度を得ることができた。しかし一般的な凸多面体の散乱を扱うためのアルゴリズム、さらに汎用ソフトウェアの提供は今後の課題として残された。 (3)MECの考えを基に、従来よりアンテナ工学で広く用いられている物理光学法、開口面法、そして吸収体近似などの積分解法の近似原理・誤差特性の解明に初めて成功し、精度向上への指針を与えた。さらに表面インピーダンス近似への拡張を開始した。 (4)時間領域における散乱波の切り分けを併用した、高精度な散乱断面積の測定は、機器購入時期の関係もあり次年度へ繰り越した。
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[Publications] Makoto Ando: "Comparison of PO and PTD Analyses of Offset Reflector Antenna Patterns" IEICE Transactions on Communications. E75-B. 76-81 (1992)
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[Publications] Tsutomu Murasaki: "Equivalent Edge Currents by the Modified Edge Representation Physical Optics Components" IEICE Transactions on Electronics. E75-C. 617-626 (1992)
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[Publications] Keiichi Natsuhara: "Equivalent Edge Currents for Arbitrary Angle Wedges Using Paths of Most Rapid Phase Variation" IEICE Transactions on Electronics. E75-C. 1080-1087 (1992)
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[Publications] Tsutomu Murasaki: "PO Equivalent Edge Currents for Modified Edge Representation of Flat Plate" IEEE Antennas and Propagation Society International Symposium. 1. 388-391 (1992)
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[Publications] Makoto Ando: "Uniform Expression of Equivalent Edge Currents for Physical Optics and Error Correction in Shadow Region" Proceedings of the International Symposium on Antennas and Propagation. 2. 557-560 (1992)
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[Publications] 稲沢 良夫: "物理光学法、開口面法、及び吸収体近似に関する高周波回折理論的考察" 電子情報通信学会 信学技法. AP92-105. 41-48 (1992)
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[Publications] Makoto Ando: "GTD Pattern Analysis of Antennas on a Finite Ground Plane by Using Modified Edge Representation" Proceedings International Conference on Antennas and Propagation(ICAP93). (1993)
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[Publications] 安藤 真 分担 (山下榮吉監修): "電磁波問題解析の実際 第4章 物理光学法" 電子情報通信学会, (1993)