マルチメディアを指向したマイクロセル方式パーソナル通信システムの基礎研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04452184
• Research Institution: KYOTO UNIVERSITY
• Principal Investigator: 吉田 進 京都大学, 工学部, 教授 (50026324)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 村田 英一 京都大学, 工学部, 助手 (60252475) ; 竹内 勉 京都大学, 工学部, 助手 (20154974)
• Keywords: 移動通信 / パーソナル通信 / マイクロセル / ダイナミックチャネル割り当て / 画像伝送 / マルチメディア通信 / フェージング

Research Abstract

平成5年度に得られた本研究による主要な成果を以下にまとめる。
1.パーソナル移動通信のマイクロセル化に伴って重要となる分散制御ダイナミックチャネル割り当てについて研究を行ない、送信電力が大幅に低減可能な、送信電力制御を前提としたチャネル割り当てアルゴリズムを提案するとともに、計算機シミュレーションによりその優れた特性を確認した。
2.マルチメディア・パーソナル通信において今後重要となる、高能率情報圧縮された静止画像(JPEG方式等)をフェージング通信路を介して伝送した場合の、画質を総合的に評価するシステムを開発した。本システムを用いて誤り訂正符号や変調方式の影響を評価するとともに、可変長符号化と固定長符号化を採用した場合の特性比較を行なった。
3.静止画像のブロック符号化伝送における、情報源・通信路統合符号化方式について研究を行ない、離散コサイン変換係数等に重要度に応じて不均等レート割り当てを行なうことにより、均等割り当てをした場合に比較して画質が改善可能なことを明らかにした。
4.静止画像伝送の誤り制御対策として、画像自身の持つ冗長度を有効に利用するハイブリッドARQを新たに提案し、その優れた画像伝送特性を明らかにした。
5.遅延時間差の大きな多重波伝搬と同一チャネル干渉波が混在する伝搬条件下における最適送受信法として、送信時にトレリス符号化変調を行ない、受信機側では干渉波に対して拡張されたViterbiアルゴリズムを適用することにより、同一チャネル干渉波キャンセルと多重波伝搬に対するViterbi適応等化を同時に実現する送受信系を提案し、その優れた耐多重波・耐干渉波特性を確認した。

Research Products

• [Publications] H.Murata: "Adaptive receiver consisting of Viterbi equalizer and sector-antenna diversity for cellular radio" Proceedings of 1993 IEEE Vehicular Technology Conference. 750-753 (1993)
• [Publications] 的場 直人: "フェージング通信路における静画像の伝送について" 電子情報通信学会技術研究報告,IT93-15. 35-40 (1993)
• [Publications] 石井 健一: "送信電力制御を前提としたダイナミックチャネル割り当てアルゴリズムの提案及び評価" 電子情報通信学会技術研究報告,RCS93-56. 35-42 (1993)
• [Publications] 的場 直人: "情報源-通信路統合符号化を用いた画像符号化の移動通信への応用" 第16回情報理論とその応用シンポシウム(SITA'93). 483-486 (1993)
• [Publications] 川野 真稔: "周辺セルを考慮に入れたダイナミックチャネル割り当てアルゴリズム" 第16回情報理論とその応用シンポシウム(SITA'93). 589-592 (1993)
• [Publications] 村田 英一: "トレリス符号化同一チャネル干渉波キャンセル方式" 電子情報通信学会技術研究報告,RCS93-75. 39-46 (1993)