1992 Fiscal Year Annual Research Report
非同期式プロセッサのアーキテクチャと設計方法に関する研究
Project/Area Number |
04452192
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
南谷 崇 東京工業大学, 工学部, 教授 (80143684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 隆一 東京工業大学, 工学部, 助手 (30236335)
米田 友洋 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30182851)
藤原 英二 東京工業大学, 工学部, 教授 (20211526)
当麻 喜弘 東京工業大学, 工学部, 教授 (50016317)
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Keywords | 非同期式回路 / マイクロプロセッサ / アーキテクチャ / 論理設計 / 2線2相式 / 出力純粋遅延モデル / 遷移因果律 / 依存性グラフ |
Research Abstract |
1)素子と配線の遅延上限値を未知とするDelay Insensitive回路に「同時分岐」仮定を導入した「素子出力純粋遅延」モデルのもとで、2線2相式レジスタ間データ転送モデルにおける組合せ回路が非同期的環境の中で正しく動作するために各信号が満たすべき必要十分条件を「遷移因果律」と呼ぶ概念で定式化し、遷移因果律を満たす範囲で可能な最大並列動作を達成する組合せ回路モジュールの構成方法が得られた。また、上記モデルのもとで設計されたデータ転送路の組合せ回路が必要な遷移因果律を満たすかどうか検証する組織的方法の検討を開始した。 2)レジスタ間転送や演算などの基本操作の間で成立なべき依存関係を記述した「依存性グラフ」を仕様とし、それを回路の信号遷移因果関係に直接写像することによって非同期制御回路を合成する方法を開発した。依存性グラフの記述要素に対応してデータパス実現のビルディングブロックとなるべき回路要素の集合を定義した。これらの回路要素は要求・応答モデルに基づく2相方式で正しく動作することが保証される。 3)Huffmanモデルのもとで「MullerのC素子」を用いて非同期式順序回路を合成するためにC素子駆動関数の「単調性条件」を満たすことが必要十分であることを見いだし、それを満たす駆動関数生成アルゴリズムを開発した。 4)「素子出力純粋遅延」モデルのもとで、2分木決定グラフから完了信号生成を伴う2線2相式組合せ回路を合成する方法を考案した。また、非同期式順序回路における信号線の単一縮退故障が与える影響を解析し、テスト可能条件の検討を開始した。 5)要求・応答モデルに基づく2線2相方式を基本として、レジスタ付きモジュールを基本ビルディングブロックとするノイマン型アーキテクチャの非同期式8ビッリ汎用プロセッサを設計し、そのチップ・レイアウトを作成した。
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[Publications] T.Nanya: "Challenges to dependable asynchronous processor design" Proc.Int.Symp.on Logic Synthesis and Microprocessor Architecture. 132-139 (1992)
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[Publications] 黄、篭谷、南谷: "MullerのC素子を用いた順序回路合成の一手法" 情報処理学会研究報告. 92-DA-64. 25-32 (1992)
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[Publications] 篭谷、南谷: "依存性グラフに基づく非同期式制御回路の合成" 情報処理学会研究報告. 92-DA-64. 9-16 (1992)
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[Publications] 高橋、南谷: "一般シャノン展開を用いたセルフチェキング多段論理回路の一構成法" 電子情報通信学会技術研究報告. FTS92-43. 33-40 (1992)
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[Publications] T.Nanya and M.Kuwako: "On signal transition causality for self-timed implementation of combinational ccircuits" Proc.Hawaii Int.Conf.on System Sceince. 368-359 (1993)
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[Publications] トンタック、南谷: "非同期式論理回路の縮退故障テストに関する一考察" 電子情報通信学会技術研究報告. FTS92-47. 1-8 (1993)