1992 Fiscal Year Annual Research Report
逆動力学を用いないロボットマニピュレータの高性能制御法
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04452206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 洋一 東京大学, 工学部, 助教授 (50165578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 武人 東京大学, 工学部, 助手 (10011181)
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Keywords | ロバストサーボ系 / ロバスト制御 / 計算トルフ制御 / 2自由度制御 / オブザーバ / 能動視覚 / 柔軟システム制御 / 振動抑制制御 |
Research Abstract |
ロボットマニピュレータの制御における逆動力学計算の問題点を明らかにし、これを用いない実用的で高性能な制御手法の提案と、DDロボットのような干渉の強い系における実験的検証が本研究の目的であるが、申請書などにも述べたとおり、平成4年度は装置の製作と操作の習熟にかなり注力した。まず、平成4年9月末日に、ほとんど予定通りダイレクトドライブロボット(米国IMI社製)が納入され、若干のトラブルがあったものの、500μsの制御周期が余裕をもって達成可能であることなど、基本動作を確認した。 以下に、研究計画に述べた番号を使って具体的に今年度の成果を述べる。 (1)関節のサーボコントローラについては、今年度は、制御対象の変動による安定性の解析を主に行い、2自由度制御系のフリーパラメータQの設計に帰着させる手法を一部開発した。また、シャフトエンコーダの分解能が低い場合に適用できる瞬時速度オブザーバにおいて、慣性モーメントの適応同定を組み合わせる新しい方法を開発し、ロバストと適応の一つの融合形態を提案した。 (2)位置制御を介したロボット制御の統一的実現については、CCDカメラとDSPを用いた画像処理系の構築がすすみ、トラッキングに関する新しい高速アルゴリズムの提案を行い、移動物体の位置姿勢の高速認識を可能にした。能動視覚における、可認識度という新しい指標を提案し、マニピュレーションにおける可操作度との協調をとりながら行う、構造的トラッキング法を提案した。 (3)ロバストな力制御系に関しては、加速度制御をマイナーループとする方式(加速度制御形2自由度力制御)の実験を行い、優れた性能を引き続き確認している。 (4)衝突過程制御については、申請時からの進展はない。 (5)柔軟関節の制御については、2慣性系の制御を対象として、SFLACと称するオブザーバと状態フィードバックを基本とする方式、さらに共振比制御と呼ぶ別の方式を提案し、CADを用いたシミュレーションによってそのすぐれた性能を確認している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 堀 洋一: "負荷加速度制御と状態フィードバックによる2慣性系の制御" 電気学会論文誌D. 112-D. 499-500 (1992)
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[Publications] 堀 洋一: "ロボットモーションのロバスト制御" 工学部紀要A研究報告. 30. 42-43 (1992)
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[Publications] 今野 雄介,堀 洋一: "高次外乱補償機能を有する瞬時速度オブザーバ" 電気学会論文誌D. 112-D. 539-544 (1992)
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[Publications] Y.Hori,K.Shimura and M.Tomizuka: "Position/Force Control of Multi-Axis Robot Manipulator based on the TDOF Robust Servo Controller for Each Joint" Proceedings of 1992 American Control Conference. (1992)
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[Publications] 堀 洋一: "モーションのロバスト制御" 平成4年電気学会産業応用部門全国大会シンボジウム. (1992)
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[Publications] 菅井 賢,堀 洋一,小笠原 司,筑根 秀男: "視覚情報に基づくロボットマニピュレータの高性能制御" 産業計測制御研究会(電気学会). IIC-92-20. (1992)