1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452214
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福地 信義 九州大学, 工学部, 教授 (80039677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若菜 啓孝 九州大学, 工学部, 助手 (00167082)
篠田 岳思 九州大学, 工学部, 助教授 (80235548)
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Keywords | ダメージ制御 / 非等方性乱流 / 煙拡散 / 煙界面 / 臨界クーリガン数 / アルキメデス数 / 排煙効果 / アトリウム |
Research Abstract |
船舶や海洋構造物の火災時における高温状態や深冷貨物倉の損傷による深冷液の急速な気化などにより生じる極低温状態に対し、高度なダメージ制御を行うためには、極めて大きな温度差による界面形成のある密度流の流動状態および熱放射を含めた熱拡散状態を精密に把握する必要がある。このため、4年度は大規模空間における火災時の煙拡散を対象に、まず実験と理論解析により、煙と空気の密度流における界面形成の限界条件を明らかにした。次に、温度差による浮力の影響を考慮した熱と物質に関する状態方程式を導き、これに基づいて、アトリウムのある防火区画について数値解析を行い、煙流動現象の把握と煙拡散に対する排煙ファンの効果について調べた。この主な研究成果は次の通りである。 (1)煙界面形成に関する研究 煙流動現象の把握や排煙システムの計画には、煙界面の形成か混合状態かの判定を行う必要があるため、実験と状態方程式に基づく解析により、界面形成の条件式を導いた。これより水平流に対する煙界面形成についてはクーリガン数が0.045であることが分かった。また、対流空間における界面形成の条件としてはプルーム上昇流によるアルキメデス数がある値以下であること、およびプルーム流速と界面高さの関係を導き、これを箱型断熱室における温度計測値により確認した。 (2)大規模空間の火災時の煙拡散に関する研究 温度差により生じる浮力の影響を考慮した非等方性の乱流拡散係数を用いて、運動量、熱およびガスに関する輸送方程式を導き、これにより大規模な単一空間の煙拡散解析を行った。この計算結果より、最頂部に配置した排煙ファンの効果は大きいこと、および火災甲板での煙の滞留状態により排煙効果が決まることが分かった。また、煙は下層甲板では成層をなすが、最上甲板では混合状態であることが見られた。
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Research Products
(1 results)