1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452216
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 洋治 東京大学, 工学部, 教授 (00010695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 正二 東京大学, 工学部, 助手 (60219277)
小村 隆士 東京大学, 工学部, 助手 (10010894)
宮田 秀明 東京大学, 工学部, 助教授 (70111474)
山口 一 東京大学, 工学部, 助教授 (20166622)
梶谷 尚 東京大学, 工学部, 教授 (80010693)
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Keywords | キャビテーション / 有限幅翼 / 差分法 / 粘性流 / 翼端渦 / 後退翼 / 気泡流 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は、以下のようにまとめられる。 1.気泡二相流と差分法を用いて、回転翼回りの非定常粘性キャビテーション流れの計算を行った。回転翼においては、遠心力の影響により翼面の流れが翼端側に向かい、直進翼とは全く異なる翼面流れを形成する。また、キャビティも翼端側の方が非常に大きくなる。 2.上記と同様の計算手法を用いて、後退直進翼の計算を行った。後退翼では、後退角のない楕円翼に比べて、スパン方向への圧力勾配が生じるため、翼上面で翼端に向かう流れが生じる。この流れによる渦度が翼端渦と干渉し、翼端渦を弱め、拡散する。また、流れ方向に軸を持つ渦度(翼端渦と同じ渦度)が、翼上面の広い範囲にわたり、翼より少し離れた所に分布し、翼端から離れた所にもう一つのピークを持つようになる。これが、実験で見られた翼面シートキャビティから縦渦キャビティへの移行、ひいてはキャビティの安定化と、スパン方向のキャビティの分断に大きく関わっているものと考えられる。 3.計算に使用したものと同じ形状の後退翼模型を用いて、既存の楕円翼模型との比較実験を行った。その結果、上記で述べた縦渦キャビティの発生とキャビティの安定化、スパン方向のキャビティの分断が観測された。また、翼面流れも、翼上面で翼端に向かっているなど、計算と良く対応する結果が得られた。 4.計算格子の生成法を検討した。その結果、高レイノルズ数計算が可能な格子の生成法の糸口がつかめた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岸本謙: "回転翼回りのキャビテーション流場の数値解析" 日本造船学会論文集. 173. 89-95 (1993)
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[Publications] N.Takasugi: "Study on Cavitating Flow around a Finite Span Hydrofoil" Proc.Cavitation and Multiphase Flow Forum,ASME. 153. 177-182 (1993)
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[Publications] 加藤洋治: "翼に発生するキャビテーション研究の進歩" 機械の研究. 45(10). 1027-1034 (1993)
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[Publications] K.Kishimoto: "A Numerical Analysis of Cavitating Flow around a Rotating Blade" J.Ship Research,SNAME. (発表予定).