1992 Fiscal Year Annual Research Report
地下深部開発における堆積軟岩の非線形熱伝導解析に関する研究
Project/Area Number |
04452222
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柳沢 栄司 東北大学, 工学部, 教授 (10005324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 高弘 東北大学, 工学部, 助手 (10187635)
新関 茂 東北大学, 工学部, 助手 (30005524)
堀 宗朗 東京大学, 工学部, 助教授 (00219205)
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Keywords | 土の合成熱伝導率 / 周期構造解析 / 亀裂性岩盤の合成熱伝導率 / 熱伝導模型実験 / 非線形熱伝導の数値解析 |
Research Abstract |
土や岩盤の非線形熱伝導問題を二次元有限要素法を用いて解く場合、その材料の含水比や空気量による熱伝導率の違いを推定する方法が必要となる。本年度の研究では、土を周期的に配列された球状の土粒子群と水からなる二相系を仮定し、周期構造モデルにより合成熱伝導率を求める解析的手法を開発した。これにより、含水比の違いによる熱伝導率の変化を合理的に求めることが可能となった。また、この方法は周期亀裂を考えることにより、亀裂性の岩石材料の合成熱伝導率の解析にも拡張が可能であり、空気亀裂の大きさが熱伝導率に与える影響についても考察を行った。 粘性土地盤モデルおよび砂質土地盤モデルによる地下空洞の加熱模型実験については、小型モデル土槽を作成し熱電対による温度分布測定を試みた。実験では模型外壁から逃げる熱量が大きく、現状では必らずしも満足できる成果が得られていないが、定性的には現象を把握することができた。来年度は模型土槽の厚さを増して二次元熱流条件が精度よく再現できるように実験装置に改良を加えて、再度実験を行う予定である。 水と熱の流れを同時に考える有限要素プログラムの開発については、最も単純な場合として土粒子の比熱が小さく、水と等温になると仮定した場合については既に数値解析を行っている。現在、土粒子と水の熱に関するカップリングの手法を考案中であり、来年度中には実験結果と合わせて現実的な数値解析モデルの提案が行える予定である。なお、軟岩の熱物性値の測定については、既に他の研究機関において数多くの研究成果が報告されているので、その成果を引用することとして、この研究から省いている。
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[Publications] 柳沢 栄司,菅野 高弘 塚田 夏樹: "粒状体モデルによる土の合成熱伝導率の推定法について" 土木学会年次学術講演会.
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[Publications] 柳沢 栄司,塚田 夏樹: "周期亀裂を有する岩質材料の合成熱伝導率について" 土質工学会東北支部研究討論会.