1993 Fiscal Year Annual Research Report
河川下流域における非定常流要因を考慮した塩分拡散予測に関する研究
Project/Area Number |
04452231
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 静男 北海道大学, 工学部, 助教授 (30001324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 修三 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (40172663)
大谷 守正 北海道大学, 工学部, 助手 (90001320)
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Keywords | 河口流 / 河口密度流 / 二層流 / 密度成層流 / 塩分拡散 / 塩水楔 / 連行係数 / 界面不安定 |
Research Abstract |
本年度の研究は次の手順で実施された。 1)昨年度の観測結果をふまえつつ石狩川の地形を考慮に入れた塩水楔の形状を計算によって予測する 2)塩水楔の形状予測の結果をふまえ25時間観測をする上で最適な地点として河口上流5.8kmと11.7kmの2地点を選定 3)25時間観測では主として塩分拡散のメカニズムを解明するためのLDVを用いた乱流計測と毎時の水質(水温、伝導度、SS)の鉛直分布の測定 4)昨年度の表層塩分測定はすべて岸近くで実施されたことを反省し、今年度は流心の水深1mに自記水温伝導度計を係留して2ヶ月にわたる長期観測を実施 5)超音波測深機を用いた塩水楔形状の観測 6)河口から塩水楔先端にかけて10地点で流行、流速、水温、伝導度の測定 また、風向、風速、水位のデータを関係機関から提供してもらい、全てのデータを総合して界面から上層への拡散に関わる非定常要因を徹底的に調べた。その検討項目は気圧、潮汐、地形、流量、風速である。このうち、気圧、潮汐、地形については、それらが単独で塩分拡散に著しい影響を与えることはないことが分かり、流量については急激な増水時の一時期のみ塩分拡散に寄与するものの、通常は塩水楔の侵入長を決定するにすぎないこと、通常見出される表層塩分の変動はほとんど風によるものであることが立証された。 これらの得られた知見は土木学会論文報告集に公表し、発表会において批評を受けた。次年度は今年度同様の観測を実施してデータを重ね、さらに、非定常要因と塩分拡散の関係を明確にすると共に、4年度に得た連行系数と流量と風速の関係を検証して最終的に流量と風速を既知とする任意の地点、任意の時刻における表層塩分の予測法を確立する。
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