1994 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の注視範囲を考慮した快適な歩行環境整備に関する研究
Project/Area Number |
04452235
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
清水 浩志郎 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (30006655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 一裕 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (60177912)
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Keywords | 高齢者 / 歩行環境 / 注視点 / 交通安全施設 / 道路構造 |
Research Abstract |
本年度は、車いす混入時における歩行空間整備の基礎資料を得るために、まずはじめに車いす混入時の車いすと利用者と歩行者の挙動について分析した。次いで車いす利用者の負担感を把握するため、その注視特性について分析を行い、両者が安全で快適に利用できる環境について考察を行った。 車いすと歩行者の混合交通における歩行挙動分析においては、車いすや歩行者のコンフリクトについて、車いす2台の状況までを考慮して、速度低下や追従、減速の状況を明らかにした。実験では晴天の日を選んだり、車いすが歩行者の最前列からスタートしたために、車いすが認知されやすいなどの好条件で行なわれていたが、実際の横断歩道においては、傘を差した状態や歩行者の中に車いすが隠れて認知されにくい場合が予想される。したがって、病院付近などの車いす利用者が多いところや歩行者密度が1.0ないし1.2人/m^2以上になるような状況では、道路横断に十分ゆとりをもたせた整備が必要であろう。また、車いすの高さは歩行者に比べて低いため、ドライバー等から認知されにくく、一方の車いす利用者は左右をみる余裕がないことから、とくに道路横断時の左折車両との接触の危険も高いものと思われる。 車いす利用者の注視点分析からは、車いすは狭幅員で通行量が多くなると左右を見る余裕がないこと、危険対象を注視する割合が高くなること、目の動きも速くなることなど、車いすにとっては負担が大きいことが分かった。注視する割合の高い放置自転車は、歩道の幅員を狭めている原因ともなっており、注視特性の観点から問題点を指摘した。今後、自転車通行帯を設けるなど車いす利用者が安心して歩道を利用できるような配慮が望まれることを指摘した。
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Research Products
(2 results)