1992 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル道路地図を用いた新たな交通事故分析手法の開発
Project/Area Number |
04452237
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
土井 健司 東京工業大学, 工学部, 講師 (10217599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兵藤 哲朗 東京工業大学, 工学部, 助手 (40218748)
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Keywords | 地理情報システム / ポアソン回帰 |
Research Abstract |
本研究は、道路構造及び沿道状況と事故発生との関係に着目し、地理情報システムを適用した視覚的な相関分析及び定量的な統計分析を通じ、交通事故発生要因の特定化を試みることを目的としていた。本研究の今年度の最大の成果は、事故発生に関わる多様な道路属性、ネットワーク属性及び空間属性の総合的表現及び相関分析を目的とした交通事故分析支援のための地理情報システム(GIS)を構築したことにある。 本研究では、地図データとして路車間情報システムの進展と共に整備されたデジタル道路地図、交通事故データとして警察庁が所管する交通事故統計原票、土地利用状況データとして都市計画図等、汎用性のあるデータを用い、適用性の高いシステム構築を行った。結果として、これらのデータに基づき、道路勾配、平面曲線に代表される道路構造データを取り込み道路構造と交通事故との相関分析を可能とするシステム構築が行えた。本研究は、こうした分析を幹線道路のみならず区画街路においても可能とするGISを構築し、それぞれの場合について事故要因を抽出している。横浜市を対象とした分析の結果、地域全体では昼夜別における交通事故特性の差異、幹線道路においては追突事故と道路勾配及び人身事故と土地利用状況の相関、区間街においては三差路主体の街路網を有する街区の交通安全等が確認された。 さらに、GISから得られた知見を重回帰、ポアソン回帰モデルを用いて検証した。幹線道路を対象とした分析では、重回帰モデルの場合交差点密度に偏ったパラメータが推定されたが、ポアソン回帰モデルでは各要因に対し有意なパラメータが推定され、交通事故分析におけるポアソン回帰分析の有効性が示された。一方、区画街路における分析では、土地利用状況及び三差路交差点密度に符号条件を満たすパラメータが推定され、GISから得られた知見を検証できたと言える。
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Research Products
(1 results)