1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452246
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神田 順 東京大学, 工学部, 助教授 (80134477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 良二 東京大学, 工学部, 助手 (60011160)
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Keywords | 地震危険度 / プレート境界地震 / 降伏せん断力係数 / モード形状 / 常時微動測定 / 最悪入力 / 線形位相 / 耐震余裕度指標 |
Research Abstract |
構造物への確率論的荷重評価に関して、地震危険度評価、構造物の動的特性と入力時刻歴波の非定常スペクトル特性の弾塑性応答への影響及び高層建物の耐震余裕度評価について検討した。地震危険度評価は、プレート境界地震の繰り返し発生を考慮した地震発生の確率モデルに基づく方法を提案し、東京及び大阪地域の地震危険度を評価したところ、歴史地震資料による累積頻度分布による方法と整合する結果が得られた。構造物の動的特性については、既存高層建物の設計時の振動モデルを調査し、統計的解析により構造種別によらず降状せん断力係数分布がAi分布に比ベ大、同等、小の3タイプに分類されることを示した。また、一例ではあるが地上25階(+塔屋2階)、地下3階、高さ100mの単純な平面と立面形状S造(3階以下はSRC造)の事務所ビルにおいて、常時微動測定を実施した。その結果、固有周期は設計で得られた値より少々短周期、モード形状は4次まで充分に測定可能であり、設計時に仮定された形状より曲げ型に近い形が得られた。更に、減衰定数について、RD法、共振曲線適合法およびハーフパワー法の3方法で求め、結果はそれぞれ若干異なるが設計時に仮定された高次ほど減衰が大きくなる傾向よりはむしろ一定となる傾向があることが指摘された。入力時刻歴波形の特性、特に位相特性を用いた非定常性による構造物の弾塑性応答への影響について、1質点系原点指向型履歴特性を有するモデルについて検討した結果、位相を周波数に比例する線形位相と仮定して、周波数帯域毎に比例定数を適切に選択する事によって、最悪入力を作成できることを示した。最後に、降伏せん断力係数分布、構造種別の異なる既存高層建物の振動モデルをその動的特性を反映した単純な6質点系モデルに置換する方法を提案し、これを用いて地震危険度評価を含めた耐震余裕度指標を求め、降伏せん断力分布と密接に関係することを示した。
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