1994 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化難聴の聴覚特性を配慮した室内音響計画に関する研究
Project/Area Number |
04452254
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
翁長 博 筑波技術短期大学, 建築工学科, 助教授 (20233570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 あこ 筑波技術短期大学, 建築工学科, 教授 (10210676)
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Keywords | 老人性難聴 / 聴覚障害 / 室内音響 / 明瞭度 / 文章了解度 |
Research Abstract |
高齢者の聴覚特性を配慮した建築空間の計画のための基礎資料を得ることを目的としていくつかの実験をおこなった。 平成4年度は、高齢者の聴力特性を近似するフィルターを作成し、そのフィルターを通して日常生活音を聞くことにより高齢者にとってこれらの音がどのように変化しているかを聴感上で確認した。70〜80歳台以上の高齢者の場合には生活音の大部分が聞き取り困難か聞き取れないものとなっている可能性もあることを示し、また、警告・予告音の多くが高周波数であるため高齢者には聞き取りにくいものであることを示した。 平成5年度は、残響時間を変えた4つの音場条件で、単音節語音、3音節単語、日常生活文、不自然な文の4つの試験音を用いて明瞭度・了解度試験をおこない、残響による音声情報伝達への影響は単音節語音、3音節単語の場合には明確に現れないが、文章了解度試験では比較的明瞭に現れることを示した。また、健聴者にとっては十分な了解度を維持できる残響条件が聴覚障害者にとっては聞き取りに困難を感ずるものとなる場合があることを示した。 平成6年度は、残響時間を初期音を操作した音場において、健聴者、高齢者、聴覚障害者に対して文章了解度試験をおこない、積分時間を100msとした初期エネルギー比と健聴者、高齢者、聴覚障害者の文章了解度とが非常に高い相関関係を示すことを明らかにした。健聴者にとっては文章了解度の低下をきたさないような残響条件でも、高齢者、聴覚障害者にとっては大幅な文章了解度の低下をもたらすことを示した。
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[Publications] 翁長 博: "残響が聴覚障害者の音声聴取におよぼす影響" 日本建築学会大会 学術講演梗概集 D 環境工学. 275-276 (1993)
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[Publications] Hiroshi ONAGA: "Speech intelligibility of hearing impaired persons under reverberant conditions" Proceedings of 12th Congress of IEA. Vol.3. 134-136 (1994)
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[Publications] 翁長 博: "残響が聴覚障害者の音声聴取におよぼす影響(その2)" 日本建築学会大会 学術講演梗概集 D 環境工学. 1723-1724 (1994)
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[Publications] 翁長 博: "残響音場における高齢者及び聴覚障害者の文章了解度" 電子情報通信学会技術研究報告. Vol.94. (1994)