1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452269
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
田中 紘一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90143817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋本 篤 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90226225)
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Keywords | ナノインデンテーション / 極超微小硬度 / 圧子 / FEM解析 / ガラス / カーボン薄膜 / フェライト / 機械加工層 |
Research Abstract |
ナノインデンテーション(極超微小硬度)試験により、光学ガラス、カーボン薄膜、フェライト加工面、銅コネクター表面メッキ層などの機械的評価を行い,また、FEMを用いてその挙動解析を行った。主たる実績は以下の通りである。 1.三角錐圧子におけるインデンテーション挙動のFEM弾性解析;ナノインデンテーション試験においては鋭い圧子先端形状を得るため三角錐圧子を用いる。三次元FEM解析により圧子押し込み荷重変位関係を求め,光学ガラスを供試して計算結果を確認した。その関係を表す形状係数は円錐圧子の場合より約65%大きくなった。 2.薄膜構造体のナノインデンテーション挙動のFEM弾性解析;薄膜構造体に円錐圧子を押し込んだときの荷重変位関係を求めた。薄膜の弾性常数が基盤のそれよりも小さいときには,膜厚の1/10程度の深さにおいては薄膜の押し込み挙動を反映するがその後急激に基盤の押し込み関係式に漸近することが判明した。磁気記録媒体上のカーボン薄膜(厚さ30nm),およびスパッタリングカーボン膜を供試し,そのインデンテーション挙動とFEM解析結果を比較検討することにより,カーボン薄膜のヤング率を推定することができた。また,それらの機械的性質と記録媒体のトライボロジ的性能との関連を検討した。 3.材料表面層のナノインデンテーション評価;磁気記録ヘッド用スライダに用いられるフェライト超精密加工面のインデンテーション評価を行った。その結果,加工方法の違いによって,表面のインデンテーション挙動は極端に異なり,加工変質層は10nm〜1μmと変化することが分かった。光学ガラス,シリコンウエハーなどの表面加工層,コネクタ-錫メッキ層の評価などを行い,ナノインデンテーション試験が,表面層の機械的評価に極めて有効であることを確認した。 4.ナノインデンテーション試験機の性能向上;ナノインデンテーション試験機の性能を向上させるためには,変位計の分解能およびドリフト特性を向上させる必要がある。そこで、交流光源を用いた光ファイバー変位計を開発し、0.04nm/√<Hz>の分解能と0.2nm/℃のドリフトレベルを達成した。
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[Publications] A.Shimamoto: "Surface Spectroscopy and Tribology of Overcoat Carbon Film Prepared by Sputtering in a Methane and Argon Mixed Gas Atmosphere." ASME Press,Adv.Info.Storage Syst.5. 259-372 (1993)
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[Publications] A.Shimamoto: "Surface Finishing Characterization of Mn-Zn Ferrite Magnetic Heads by Ultra-low load Indentation Test and Its Relation to Tribological Behaviors." ASME Press,Adv.Info.Storage Syst.5. 311-321 (1993)
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[Publications] 村上敬宣: "有限要素法による三角錐圧子の弾性押込み解析" 日本機械学会論文集(A編). 59. 835-841 (1993)
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[Publications] Y.Murakami: "Elastic Analysis of Triangular Pyramidal Indentation by the Finite Element Method and Its Application to Nanoindentation Measurement on Glasses." To appear in Phil.Mag.(印刷中). (1994)