1992 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルアロイングにより製造された先端複合材料の高速超塑性に関する基礎研究
Project/Area Number |
04452271
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
東 健司 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (50173133)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海津 浩一 大阪府立大学, 工学部, 講師 (50177317)
谷村 眞治 大阪府立大学, 工学部, 教授 (30081235)
|
Keywords | メカニカルアロイング / 複合材料 / 高速超塑性 / 変形メカニズム |
Research Abstract |
本年度において得られた研究実績を以下に示す。 (1)使用する合金の母相をAl-Cu-Mg系と決定した。この合金系のメカニカルアロイング法で製造したアルミニウム合金が100s^<-1>以上の超高速度で1000%以上の超塑性伸び値を示すことが分かったので、この合金系から実験を行なう事とした。複合材料を製造するための方法として、粉末冶金法と押出しを用いることにした。これは、圧延法などでは、加工成形が難しい事と、将来複合材料の超塑性成形がブロック状のものを用いる可能性が高いためである。 (2)高速超塑性に影響を及ぼすと思われるミクロ組織的因子(母相の結晶粒径、複合分散粒子の種類、寸法、含有体積率)などを検討するため、予備的な材料を製造し、その超塑性特性を調査した。その結果、母相の結晶粒径が微細なほど良好な超塑性特性を示したが、最大超塑性伸び値は必ずしも母相の結晶粒径の微細化とともに増大しなかった。複合分散粒子の種類は、超塑性特性に大きな影響を与えない事が分かった。基本的には、母相の結晶粒径が微細であれば、超塑性は発現する。複合分散粒子の寸法は、細かいほど超塑性伸び値には有利であることが分かったが、超塑性発現条件を限定することが分かった。これは、微細な分散粒子の存在が敷居応力を増加させるためであると思われる。この結果より、分散粒子の含有体積率を余り大きく取れないことが予想されたので、本研究では、含有率を15Vol%一定と限定した。 (3)当初、高速超塑性の応力、ひずみ関係が正確に測定できるよう引張り試験機の改造、および実験データの信頼性を確保するため、高速演算のできるコンピュータ制御に改良する予定であったが、上述したようにメカニカルアロイングにより複合材料を予備的に製造する工程と費用がかかったので、さらに高精度のコンピュータ制御に変更する計画を延期した。
|