1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452277
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
香川 豊 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (50152591)
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Keywords | SiC繊維強化Ti / 界面力学特性 / 界面せん断剥離 / 界面せん断滑り / 応力発生因子 / 界面摩擦係数 / 複合則 / 強度の温度依存性 |
Research Abstract |
本年度は昨年度試作した界面力学特性測定装置を用いて、SiC繊維強化Ti系複合材料を用いて薄板プッシュアウト試験ならびにプルアウト試験を行った。その結果を用いて界面せん断滑り応力の発生機構について考察した。せん断滑り応力(τ_s)が界面の半径方向応力(σ_r)と界面の摩擦係数(μ)の積で表わされる(τ_s=μσ_r)と仮定し、μおよびσ_rを定量的に求めた。その結果、界面せん断滑り応力は(1)界面の凹凸によるインターロッキング機構、(2)マトリックスの塑性変形による繊維半径方向の拘束、(3)試験時の繊維半径方向のポアッソン比の拘束、によるものであることが明らかになった。(1)〜(3)の値を具体的に求めて比較すると、せん断滑り応力の発生に最も大きく影響する因子は製造時にプロセス温度から室温までの冷却時に発生するマトリックス中の残留熱応力であることが明らかになった。 繊維強化金属系複合材料の引張強度を界面せん断力学特性を用いて定量的に求めるための理論式を作製した。理論では、複合材料に加わる引張応力により界面の剥離、滑り挙動を組み込んだものとした。界面せん断剥離、滑り応力を含む形の複合則を理論的に求め、プッシュアウト法により求めた値を用いて複合材料の引張強度を求めて理論値と比較検討した結果良い一致が得られた。特に、従来から繊維強化金属系複合材料の引張強度の温度依存性については明確な理論式が提案されていなかったが本研究で提案した理論式を適用したところ実験結果を説明することが可能であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 香川 豊: "SiC繊維強化Ti複合材料の界面応力伝達機構" 日本金属学会誌. 58. 91-97 (1994)
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[Publications] Y.Kagawa: "Temperature Dependence of Tensile Mechanical Properties in SiC Fiber-Reinforced Ti Matrix Composite" Acta Metall.& Mater.(印刷中).