1992 Fiscal Year Annual Research Report
応力負荷状態にある金属基複合材料のミクロ組織変化の解析と制御
Project/Area Number |
04452280
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金武 直幸 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00115552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小橋 真 名古屋大学, 工学部, 助手 (90225483)
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Keywords | 金属基複合材料 / 粒子強化型 / 機械的性質 / 変形 / 破壊 / 微視組織 |
Research Abstract |
粒子強化型アルミニウム基複合材料について、応力負荷状態の下で、マトリックス、強化粒子、両者の界面の挙動を、その場で連続的に観察・解析することを目的に研究を行い、次の知見を得た。 1.走査電子顕微鏡(SEM)に荷重負荷装置を組み込ん装置とパーソナルコンピュータとを利用して、SEM内で引張り試験を行い、応力・ひずみの測定と同時に、マトリックス金属、セラミック粒子そして両者の界面などミクロ組織の挙動を、その場で連続的に観察・解析するための試験工具等の考案設計をして試験システムを確立した。 2.SEM内引張り試験において、極端な応力の局部化を避け、できるだけ均一な応力状態で試験を行うことができ、かつ微視クラックの発生やミクロ組織の連続的変化の観察ができるだけ容易にできるような試験片の形ついて、有限要素解析による計算機シミュレーションと予備実験との両面から検討した結果、通常の引張り試験片の平行部中央を円弧形状に細くした試験片が適当であることがわかった。 3.溶湯攪拌法や粉末押出し法で作製したSiC粒子強化アルミニウム基複合材料を用いて、応力負荷中のミクロ組織の変化を連続的に観察した。その結果、巨視的な破断の発生よりかなり以前に、界面や粒子内部に微視クラックが発生していることが観察でき、この試験システムが、本研究の目的に有用であることを確認できた。 4.応力負荷による微視クラックの発生・拡大や、マトリックス中の転位密度の変化と負荷応力との定量的関係を調べる方法として、微小硬さの変化及び電気抵抗の変化を利用した評価方法について、予備実験により検討した。しかし引張り変形では負荷ひずみがそれほど大きくないため、その測定はそれ程容易ではなく、今後評価方法としていっそうの工夫・検討を続ける必要がある。
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