1992 Fiscal Year Annual Research Report
光吸収を利用したリードボンディング用複層薄膜の界面反応の観察と制御
Project/Area Number |
04452281
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬越 佑吉 大阪大学, 工学部, 教授 (00029216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴柳 敏哉 大阪大学, 工学部, 助手 (10187411)
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Keywords | 金属間化合物 / 光吸収 / 薄膜 / リードボンディング / 複層薄膜 |
Research Abstract |
半導体配線材料用リードボンディングとしてAuおよびCu細線が使用される。この細線とAL蒸着膜との反応によって形成される金属間化合物が半導体破損事故の原因となる。本研究においてはAl/CuおよびAl/Au複層薄膜を作り、この複層薄膜間の熱処理による形成化合物相の同定とその成長速度を調べた。この際スパタリング等で薄膜の深さ方向に表面層を除去すると、高速イオン照射による界面での拡散が起る。このような二次的要因による拡散の影響を除去するためX線回折、光反射率測定により化合物の同定を行なった。Al/Au複層薄膜の場合、薄膜形成時には界面に反応相は認められないが、100゚C、30分の焼鈍において既にAl_2Auの形成がX線的に認められる。また、光反射率変化においても550nmの波長付近においてAl_2Au形成による反射率の低下が観察される。一方Al/Cu複層薄膜の場合、150゚C、24時間の焼鈍においてもX線回折および光反射率変化において何ら化合物の形成を裏付ける結果は得られなかった。以上の結果から一般に広くリードボンディング細線として用いられているAu細線はAlとの反応による化合物形成という面からのみ考えれば必ずしも有利ではない。むしろCu細線はその熱的安定性という面では優れているとの結果を得た。今後、Al/CuおよびAl/Auの接合強度等についても検討する予定である。
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