1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452282
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
加藤 寛 埼玉大学, 工学部, 教授 (80107375)
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Keywords | 拡散接合 / 接合強さ / 非破壊試験 / 超音波試験 / 軟鋼 / チタン |
Research Abstract |
平成5年度は、接合に際して反応相を形成する軟鋼とチタンを大気中で拡散接合した際の、接合強さ及び接合状態と接合条件との関係を明らかにするとともに、これらの諸特性と超音波因子との関係を明らかにすることを目的として実験が行われた。得られた成果は以下の通りである。 1.軟鋼/チタン接合材の引張せん断強さは、ある温度までは接合温度の上昇とともに接合強さは上昇していったが、臨界温度を越えると低下した。この臨界温度として、軟鋼/チタン平衡状態図より1085℃における(Liq〓チタンβ相+TiFe相)共晶変態温度が該当することが分かった。 2.接合材の超音波測定を行い、接合部の寸法を推定(推定直径)した。その結果、推定直径は破断面で実測された接合領域寸法にほぼ比例した。接合部寸法は接合温度が増加するに従って一様に増加していったが、ある温度で急激に寸法は増加し、ほぼ一定の値となった。この温度は1085℃における共晶変態温度に一致した。 3.接合部において接合界面から反射した超音波は、接合温度が共晶温度以下の場合は接合部領域中でほぼ一定となり、また、理論的に推定される反射率より少し高い値を示した。これに対し、共晶温度以上で接合した接合材では、反射率は理論値より低くなるとともに接合領域内でも一定値を示さなくなった。これは、接合界面において反応相が溶融し、このため接合部が平坦でなくなり、反射率が変化したためと推定された。 4.接合部中心近傍で接合界面からの反射波形をFFT解析した。得られたスペクトルは、界面で溶融を生じたと思われる試験片でスペクトル形状に大きな違いを生じた。
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